綺麗な日輪刀 ページ24
信じられなかった…
俺は今まで上弦に操られてたのか…?
不死川
「A…頼む…目を開けてくれ…」
涙が止まらない
自分の恋人を忘れてたってことかよ…
『……ん…』
不死川
「A!わかるか!?俺だ!不死川だ!」
『…しな……げふっ…』
Aの口から多量の血が吐かれた
Aが半妖だってことは知ってる
辺り一面に落ちている黒い羽根
『げほっ…げほ……し、しな…』
不死川
「A…前みたいに…呼んでくれないか…?」
辛いのはわかってる…
呼吸じゃ…どうにもならないって…
『…げほっ……さ、ねみ……』
不死川
「A…ほんとうに……俺のせいで…」
羽織りで止血を試みるも、俺の羽織りが血で染まるだけ
手が震える
過ぎるあの言葉…
信じたくない…
絶対に助ける…!
『さね、み……聞いて…私…ずっと…戻ってきて、欲しかった……』
不死川
「……けど…」
『苦しか、った……好き…だから…』
不死川
「A…!」
『…さ、ねみ……大好き、だよ…』
Aの血の着いた手が頬に伸びる
小さく震えているAの手
迫ってくる顔
あと少しで唇が触れる…
という所で、Aの全身から力が抜け、ガクンと首が傾いた
煉獄
「不死川!あと少しで隠が……」
煉獄の声なんか、どうでもよかった
俺のせいで…Aが…
傷つけて…辛い思いをさせて…
何も守れなかった…
不死川
「ずっと好きだ…A……本当に…ごめん…」
気付かぬうちに隠が来ていた
冷たくなっていくAの身体
離したくない…離れたくない…
そこからは覚えてなかった
ただ泣きじゃくったことしか、覚えてなかった
不死川
「これ…Aの日輪刀か…」
蝶屋敷に戻ってきてから、胡蝶が渡してきたもの
変だな…温もりがあるように感じる…
綺麗な日輪刀だった
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作者名:ミライ | 作成日時:2022年8月30日 1時