遊郭の女性と風柱【鬼滅の刃】【不死川実弥】

目の前に ページ27

むしゃくしゃしてる

隊士のこともあるし

片付かねぇ書類

めちゃめちゃイライラしてる

その時にAが話しかけてきたんだ



『ただいま戻りました。夕食は何がよろしいでしょうか？』

不死川
「要らねぇよォ」

『で、ですが…』



今は話しかけないでほしい…

そう言いたかっただけなのに…



不死川
「聞こえなかったのかよォ。要らねぇっつってんだろうがァ！」

『も、申し訳ありません…』



そんな悲しい顔をしないでくれ…

気を落ち着かせようと、さっきおはぎがあるかを確認したが無かった

Aも居なかったこともあって

買ってきてくれて、作ってくれるんだろうと思っていたが

出てくる言葉は思いとは裏腹に…

逆にAを悲しませてしまってる

とうとう、"出て行け"に近い言葉を発してしまった…



不死川
「……(ﾄﾞｶﾞﾝ)」



壁を殴った

ボロボロッと崩れて、手の甲から血が滲む



不死川
「はっ…！」



Aが居たから、屋敷が綺麗になってる

Aが居たから、毎日美味い飯が食える

Aが居たから、帰ってこようって思う

やっと、我に返った



不死川
「やべっ……」



外は真っ暗

鬼が動き出す時間



まずい



……



俺が悪かった…

Aに当たるなんて、1番良くねぇのわかってたのに…

助けた時の情景がフラッシュバックする

裏路地に来た

神経を研ぎ澄ます

いた…！



不死川
「風の呼吸…」



鬼の頸を切り落とすと

怯えるような目で俺を見つめる…A



不死川
「A！」

『さ、実弥様……！』

不死川
「動くな。傷が開く…」



深い傷ではないが…腕と足に引っ掻き傷がある

手ぬぐいを破り、包帯の代わりに巻いた

蝶屋敷へ行く



『私が…至らぬばかりに…』

不死川
「俺も悪かった…」



胡蝶に手当てしてもらい、屋敷に帰ってきた



不死川
「本当にすまなかった……」

『いえ、いいのです。私も実弥様のお気に触れてしまい…申し訳ありませんでした…』

不死川
「ほら、包帯取れかけてるぞォ」

『……さ、実弥様…あの……』

不死川
「ん？どしたァ」

『実弥様は…好きな女性……いらっしゃるのですか…？』

不死川
「…え」

『い、いいのです……気になって…』



ここで言わなきゃ、いつ言うんだァ！



不死川
「いるぞォ」

『そ、そうなのですね…』



不死川
「目の前になァ」

『え？そ、それ…前も…』

不死川
「あァ。お前だァ、A」

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