Episode3 ページ5
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『…………は？』
思ったより低い声が出た。ここで怒ってはダメだ。
食堂だし、周りの視線もある。耐えろ。怒ったら………………。
「だから、その喋り方が気に食わないって言ってんだよ」
「ちょっ松田それはいくらなんでも＿＿＿」
と諸伏くんが松田くんを注意しようとするが、もう遅い。私の堪忍袋が切れた。バンっと手で机を叩く。
そして、あたりの人が黙る。
『何であんたなんかに喋り方を指摘されなきゃいけないんだよ！！！！！私の勝手だろうが！！！！！人の喋り方まで否定するってあなた何様ですか！！！！？
イケメンは神様かなんかですか！！！！！人がどんな気持ちでこんなふうにしなきゃいけないか、知りもしないくせにそんなこと言わないで！！！！女だからって何もできないとか、言わないと思ったら大間違いよ！！！女だって、やるときはやるのよ！！！イケメンだからって何言っても許されるなんて思わないでよね！！！！これだからイケメンは大っ嫌いなんだよ！！！！』
息継ぎもせずに言ったからなのか、ゼハゼハ………と息を吸う。するとみんな私の気迫に驚いたのか、物凄い目をまん丸にしてこちらを見ている。なんだなんだと辺りでこちらを見ていた人もこちらに視線を向けていた。
いや、これやばいんじゃ？？？？
だってイケメンに何口答えしてんだ。って絶対女子に言われる。女子からの視線やこそこそ話しているのが分かる。
うん、やばい。確実にやらかした。あんなに怒ったらダメと自分にいい聞かせていたのに。
とりあえず、恥ずかしい。ここから出た方がいいだろう。
『………アッエット。ゴッゴメンナサイぃぃぃぃ！！！！シツレイシマスゥゥゥゥ！！』
「あっ。ちょっ！！滝沢さん！？」
諸伏くんの声が聞こえてたが、それを無視して走り出す。もう、イヤだ。もう、班で会いたくない………。
もう、完璧に目立ってしまった。もう、友達できない………。
次あったらどうすればいいんだろう。
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作者名：かげね。 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年5月20日 18時
