20、シャインマスカット ページ20
この書斎では何となく定まってる、俺達のテリトリー。
俺は基本ソファーエリアだ。
ローテーブルにPCを置き、床に座ってソファーに寄り掛かり仕事をする。
一息つく時はソファーに座る。
ここがこの書斎で俺の定位置なんだ。
ソファーからは、デスクに向かう先生の背中が見える。
最近は背中を見ただけで、先生の気分も推し量れるようになった。
上の空でただボーッとしてるのか。
何か閃きかけているのか。
機嫌が良いのか悪いのか。
ネタが降臨してペンが走り始めるのは、いつも唐突なタイミング。
描き始めた先生の背中を見ると、ほっとする。
先生の背中に自分から張り付いたのに、妙にドキドキしてしまったのは、仕事に没頭する先生の背中が好きだからだ。
真「・・・・」
呉「・・・・」
どのくらいこの体勢で固まっていたか、先生の溜息が聞こえた。
ガチで機嫌悪そうだ。
真「呉居ちゃんは鈍感だな。」
ボソっと呟いて、またソファーへ戻っていく。
デスクに向かうんちゃうんかーい、とサイレントで突っ込む。
オイオイまだ描かずに粘るつもりだな。
先生のシャツを握っていたせいで、母親のスカートを掴んで纏わり付く子供みたいに、俺は先生と一緒に移動してしまった。
真「え……ついてきたの?」
別についていきたかったわけでもない。
ちょっとしたハズミで。
シャツを手離す機を逸しただけ。
でも俺がくっ付いて離れないせいで、少しだけ気を良くしたようだ。
真「でもやっぱり……好きなんだよね……」
食い残してあったシャインマスカットを指で摘み、美味しそうに食う。
先生は大食いでも食いしん坊でもないけど、好物となると飽きもせず食う。
もう一つ摘む。
真「口、開けてごらん。」
呉「んあ? こう、ですか?」
真「そうそう、アーンして。」
言われるままに口を開ければ、シャインマスカットが舌に乗せられる。
俺が食うのかよ。
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kyumapi(プロフ) - たいちゃんらぶさん» いつもお力下さってありがとうございます。色んなシーンを思い浮かべてニマニマして下さいませ〜 私はビリビリアヒルで吹っ飛ぶ呉居ちゃんを気に入っております。何しろ日本一ビリビリさせられてるアイドルですので。これからも面倒臭いたいぴちゃん書いていきます。 (2020年6月4日 18時) (レス) id: 52d20d0833 (このIDを非表示/違反報告)
kyumapi(プロフ) - くらげさん» お付き合い頂きありがとうございました。そうなのですよ、領収書。前作でも伏線を張っておいた物です。ホワイトデーの差し入れを経費で落とさず自分で買ったのなら、それは呉居ちゃんの愛です(笑) (2020年6月4日 18時) (レス) id: 52d20d0833 (このIDを非表示/違反報告)
kyumapi(プロフ) - ふぅ子さん» コメありがとうございました! いつも変たいぴちゃんばかり書いてスミマセン(汗) こんな二人と一緒に悶えて下さったら何よりです。これほど創作意欲を掻き立てられシンメはなかなかいませんねえ。 (2020年6月4日 18時) (レス) id: 52d20d0833 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - シーンも大好きでした。追っかけで読ませて頂いたので感想が遅くなってしまいすみません。やっぱりきゅまぴさんのお話がとってもとっても大好きです次作も楽しみです (2020年5月6日 19時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - きゅまぴさんっ完結おめでとうございます。めんどくってもどこか憎めない・・なんなら可愛く思えてしまう真ヶ谷先生好きー。Tシャツエピでは悲しそうに見えたっていう呉井ちゃんの言葉に愛おしくなっちゃったし玉森君エピで呉井ちゃんがピョンピョンジャンプする (2020年5月6日 19時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kyumapi | 作成日時:2020年4月12日 19時