聖なる夜の、サイレントなキミへ。(前編)

8、思わず二度見 ページ8

　
　
　
プププッ、ダッセエな。



頭文字並べてフッティーだってよ。笑



ん？ 待てよ、Kiって……俺も似たようなモンか？



クソ、ツッコミ入れにくいじゃん。



ア「今日は来週リリースのシングルと、同時に発売する撮り下ろしの映像作品のテーマ曲を歌われるんですよね？」



T「はい。

来週発売のニューシングルと、ショートムービーのオープニング曲とエンディング曲、演らせて頂きます。」



何……だと？



三曲も歌うの？



扱いは俺達に劣らない。



しかも二部門で、同時に1位狙ってるのか。



いや当然そうだよな。



しれっと売り方も被らせてきてんじゃねーよ。



ああああああ恐るべし大手事務所のアイドルっ



MC「FTTY忙しそうだけど、ストレス解消法はあるの？」



F「僕は移動中は音楽聴いてますね。」



フーン、ありきたりだな。



サウナの方がスカッとするぜ。



それに、俺は他人の音楽聴いて一息つくくらいなら、自分の音楽の創作活動に走るね。



MC「へ〜、どんな音楽聴いてんの？」



F「洋楽もJ-POPも聴きます。

勿論事務所の先輩の曲も好きです。

最近は……

ちょっと言うの恥ずかしいな……ええと……」



俺達のスタンバイのタイミングを測って、トークに尺を取っているらしい。



アナウンサーもチラチラこっちを見ている。



今日はスタジオじゃないから、ステージまで辿り着くのに時間がかかった。



巻きのサインは出てないから、大丈夫なんだろう。



F「あの……今からパフォーマンスされる◯◯◯◯さん、デビューシングルもセカンドシングルも、偶然リリースが一週違いで……

いわゆる同期って事になりますが……」



ビックリさせんなよ！



思わず二度見しただろーが。



何で唐突に俺達の話？

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