おとぎ話いじっちゃいました。【親指姫 〜激レアなマグヤマを探せ！〜】前編

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ハンカチでフジガヤ様の目から大事な所が隠れたので、少し安心する。



濡れた股間から余計な妄想ストーリーでも脳内展開されたら面倒だ。



おしぼりで机を拭き、墨を取り出す。



フ「墨を摩ると、気持ちが落ち着くらしいからね。」



お前が落ち着け……と言いたかったけど、「ハイ」と返事をしておいた。



スーリスーリスーリ……



フ「あ……あぁ……」



なっ、今度は何喘ぎ始めた？



フ「ショタヤマくんがモノをスリスリ摩るって行為ね、ソレ犯罪レベルだ。」



マジで落ち着け。



シ「はうっ！！」



ハンカチで覆ったのは失敗だった。



フジガヤ様の手は容赦無い。



ハンカチの中に忍んでくる。



そして「本丸」の手前で留まっている。



それ以上は……。



フ「どうしたの？

墨を摩る手が動いてない。」



さすがにこれじゃあ落ち着くモノも落ち着かんでしょーが。



フ「スーリスーリ、してごらん。」



言いながら、フジガヤ様の親指がハンカチの下でスーリスーリと滑った。



スーリスーリスーリ……



あ〜あ〜あ〜……



親指だけにしとけ。



位置もそこまでだ。



手をあと少し中心にズラしたら、文鎮掴んで振り上げるだけじゃ済まねえから。



フ「頑張れ〜」



これはさっさと終わらせるに限る。



心を無にして。



スリスリスリスリスリスリ……



フ「アハッ、最後は一気に高速スリスリでフィニッシュだったね。｣



何言ってんだコイツ。



言葉選びに悪意がある。



シ「はースリスリでめっっっっちゃ気持ちが落ち着きました。」



フ「そうか、良かった。

僕はショタヤマくんの心の安定剤かな。

アハハハ。」



「落ち着きました」とイヤミったらしく言ったけど、何も伝わらなかったようだ。



墨スリスリは人の心を落ち着けるのかもしれないが、お前の親指スリスリは逆効果、俺の落ち着き度は大きくマイナスなんだよ。

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