おとぎ話いじっちゃいました。【親指姫 〜激レアなマグヤマを探せ！〜】前編

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フ「さ、用意して。

ほらモタモタしなーい。」



シ「はい。」



下敷きを敷いて文鎮を出して、すずりも置いて……。



シ「うひゃっ！！」



机の下にフジガヤ様の手が入ってきた。



フ「早く早く。

ショタヤマくんは特技が書道でしょ。

今夜はショタヤマくんの筆さばきを楽しみにしてきたんだ。」



顔がストレートにイヤらしい。



シ「ん……頑張る……」



モモに手を置いて俺を見詰めてる。



その手、動かしたら文鎮振り上げんぞ？



フ「じゃあ、僕がすずりにお水入れてあげようね。」



シ「ありがと。

まずはホンの少しで。」



フ「わかってるって〜

・・・・あっ！！」



シ「わっ、つめたっ」



全然ダメじゃん。



つか、わざとだよね？



すずりから溢れてる。



氷水が股間直撃して、ビックリしたのと冷たさで文字通り縮み上がった。



フ「大事なトコ、濡れちゃった……。」



フジガヤ様がハンカチを取り出す。



まさかまさか？



シ「ダイジョブでーす♪」



フ「いやいやダメだよ。」



シ「ダイジョブなのっ」



フ「大丈夫じゃない。

そこだけ濡れちゃって見た目えっちだよ。

僕のせいで、何かえっちなコトがショタヤマくんのそこに、起こっちゃったみたいだよ。

小学生なのに。」



え？ 何の心配っスか？



風邪を引くとか、着替えあるのか、とか、心配してくれるかと思った。



シ「じゃあ、そのハンカチ貸して下さい。」



ハンカチを引ったくり、自分で軽く拭いてそこを覆った。



フ「僕が拭いてあげたのに。」



結構です。



シ「フジガヤ様のお手を煩わせちゃ……」



フ「今日は何だか遠慮深いね。

ちょっとクールだね。」



前回はワケわかんなくなっちゃっただけ。



あれからフジガヤ様に対しては、いつやって来ても良いようにちゃんと毎日身構えている。



いつもイメトレしつつ、冷静でいようと鍛練積んでんのよ。



だから、ニカイドウが「フジガヤ様じゃないとガッカリして」というのは、あながち間違いじゃない。



身構えてるっていうのは、限りなく心待ちにしてる状態に近い。



……のかも。

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