おとぎ話いじっちゃいました。【親指姫 〜激レアなマグヤマを探せ！〜】前編

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フ「ショタヤマくんと二人で『お教室』で待ってるからね。」



二・セ「ハーイ、大急ぎで取ってきます。」



フ「あ、いや、そんなに急がないで良いよ。

15分後くらいは引っ張って。」



二「わかりました。」



フ「そしたら15分はショタヤマくんと二人っきりでイチャイチャ出来る。」



耳にコソっと言われた。



ああ……耳からちょっと蕩けかける……。



急がなくて良いって、どうせそんなこったろうと思ったよ。



でも二人っきりどころか、あそこはコロシアムかってくらい誰の目からも逃れられない公開エリアだよ。



うちは賑やかなショータイムが無い代わり、シチュエーションで作られるシーンが「展示物」であり、どの客の視界にも入れて楽しませるレイアウトだ。



イチャイチャは公開イチャイチャであって、全く二人っきりでのイチャイチャじゃない。



フ「さあ、『お教室』へ行こうか。」



シ「はい。」



フ「あれ？ 何か足元怪しいね？」



シ「そ、それは……。」



フジガヤ様が悪いんだ。



やって来ていきなり攻めるから。



フ「抱っこ、して欲しいの？」



シ「ダイジョブですよぉー

ホラもう着きます。」



逃げるように「お教室」に向かって少し足を速めた。



フ「そ〜お？

遠慮しなくていいのに。」



フジガヤ様は明らかに残念がって、ちょっと頬を膨らませた。









机に二人で並んで着席する。



シ「お飲み物は？」



フ「飲み物は、ショタヤマくんが作品仕上げたらオーダーするよ。

余計な物があると、ショタヤマくんの集中力が削がれちゃう。」



ウ「かしこまりました。」



既に削がれてるんだが。



おしぼりとお冷やだけ置くと、ウェイターは去っていく。



フ「これこれ。

必要なのはお水だけ、でしょ？」



そうなんだけどさ……俺の集中力の一番の敵はフジガヤ様だという事を、本人が一番わかっていない。

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