おとぎ話いじっちゃいました。【親指姫 〜激レアなマグヤマを探せ！〜】前編

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ヨ「下の名前はどうされますか？

……そのまんまカタカナで。

はい、承知致しました。

お仕事中大変失礼致しました。

……いえいえ、せっかくですので、源氏名はお願いしようと思っておりましたもので。

……ええもう、バッチリ御用意しておきましょう。

では。」



「オーナーさんですか？」



ヨ「いや、違うんだ。

まあ誰でも良いじゃないですか。

源氏名決まったよ。」



は、速い。



即決だ。



店長は胸ポケットから手帳を取り出すと、ペンで書き俺に見せた。



「これは……何て読むんだろ。

カキ……？

カク……？

タ……？」



ヨ「訓読みしてどうするの。」



わかってんだよ！



でも音読みしたくねえの。



わかってんだろ。



こんな名前付けやがって。



他のホストの苗字はホストらしからぬスタンダード具合なのに、何で俺だけ如何にもな苗字にされたかね？



趣味ワリィ。



センス無し。



緋色の方がまだマシだったわ。









"書田山 ヒロ"









ヨ「苗字の字面が実にイイ！」



字面しか誉めるとこが無い。



確かに曲線が無く直線のみで、男っぽく幾何学的でさえある。



問題はだな……響きの方だよ。



ヨ「『ショタヤマくん』ね。

さすがだ。

こんなにストレートに引用された源氏名は初だよ。

光栄なコト！」



光栄なのか？



「ショタヤマ」は光栄なのか？



「ありがとうございます！

身に余る光栄です。」



誰が名付けてくれたか知らないが、一応そう答えておいた。



話しぶりからして、店長よりずっとずっと偉い人なんだろうな〜というのだけは、わかった。



話し中ペコペコ腰を折っていた。



ヨ「ショタヤマくん、遠からずキミはナンバーワンになる。」



それはきっと当たってる。



ショタヤマの名にかけて！



もう覚悟は決まってる。



こうなったら、客をドボンドボンにタラシ込んでやろうじゃねえか。

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