10、キミの味 ページ12
タ「ふふふ、思った通り。
すごぉくオイシイ!」
そこからもう夢中になった。
時を忘れ我を忘れて、身体中をペロペロと舐め回した。
「くっ、くすぐったいっ」
その子は身をよじったが、楽しそうにケラケラと笑い、タイスケを突き離そうとはしなかった。
初めて知ってしまった、その子のオイシイ味。
それから何度も、その子を河原撫子の中へと誘った。
タ「イイ匂い! オイシイ! 大好き!」
色々な感情が入り混じって、おかしくなりそうだった。
「やめろよ、くすぐったいな。」
そう言いながら、タイスケに身を委ねている。
そして、目を閉じる。
タイスケもやがて目を閉じて、一緒に眠りに落ちていく。
群れの仲間が目覚める前には起き上がり、帰って行った。
不思議と、その子は急激に成長していくようだった。
「また川へ一緒に行こうよ。」
その子も河原撫子の花が大好きだった。
川岸に行く度、花芯に鼻を埋めて何度も深呼吸をする。
走り回ってゴロゴロと転げ回ったかと思えば、花を両腕いっぱいに掻き抱いて、顔を押し付けていた。
タイスケは、太陽のもとでは眠くて堪らないのだが、楽しそうに花と戯れるその子を眺めている。
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kyumapi(プロフ) - ソフィアさん» こんにちは(・∀・)いつもありがとうございます! ハピエンと言って頂き嬉しいです。ただいまリアルToy2_day2絶賛待機中です。昨日ユニット曲が無くてちょっとモヤってます〜 円盤化要請の声、大事ですね! エンタメ業界は貪欲に稼いでいくべき時だと思います。 (2020年10月4日 15時) (レス) id: 52d20d0833 (このIDを非表示/違反報告)
kyumapi(プロフ) - yuksaさん» 初めまして! コメありがとうございます。月に照らされる一面のピンクのお花←具体的なストーリー以前にこのラストシーンが、脳内に広がりまして。月は儚いFさんの象徴みたいなモノで、Fさん×月のお話はいくつか書いてきました。お名前の太の字は太陽由来と聞きますが。 (2020年10月4日 15時) (レス) id: 52d20d0833 (このIDを非表示/違反報告)
kyumapi(プロフ) - nanacoさん» ありがとうございます。愛しているのに食べたいという気持ちと、愛してるが故に寿命を同じくしたいという気持ちに、書き手としてどう応えるかかなり考えました。舐めるだけで我慢した結果命を分け合えたのですが、それは最後に読者様にわかる形にしてみたつもりです。 (2020年10月4日 15時) (レス) id: 52d20d0833 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - あらー、お星様199でしたー。うんうん、これは立派なハピエンストーリーです!そして、ライブが円盤化してもらえるようavex様に要望出しましたー! (2020年9月20日 10時) (レス) id: 06f6b1f19d (このIDを非表示/違反報告)
yuksa(プロフ) - はじめまして!きゅまぴさんの作品をいつも楽しみにしてます。今回は切ないお話でしたね。2人が同時に眠りについてそのおかげで生贄を川に投げ込むことが無くなったなんてとてもいい筋書きですね。きゅまぴさんの書く藤北が大好きです、また次の作品を楽しみにしてます (2020年9月19日 19時) (レス) id: 51fb0877ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kyumapi | 作成日時:2020年8月30日 21時