【文スト】歴代最年少幹部は太宰さんの妹のようです。2

ディセイブ5 ページ44

〜中也side〜

廃ビルをさまよい続け、ついに、ボスがいると思われる最深部に到達した。

チームの中に緊張が走るのを肌で感じる。

すると、Aがみんなを集めて話し出した。



A︰今からボスと戦う。恐らくボスは私たちの動向に気づいていない。佐藤の情報では、ボスと下っ端たちは連絡を取りあわないらしいからね。
だから、十分に奇襲作戦が成功する確率がある。自分を信じて作戦に望んでほしい。

ここで、みんなにお願いがあるの。








────絶対に死なないで。お願い。お願いだから。







最後は震え、消え入りそうになるAの声。



中也︰あたりめぇだろ。死ぬわけないし、誰も死なせねぇよ。



きっと首領は、ポートマフィア全体のことを考え、犠牲も仕方が無いと思っているはずだ。でもAは違う。自分の身よりも仲間の身を心配する。

────仕方ねぇな。今回の作戦はAが頭だ。誰も死なせねぇぞ。




A︰よし、行くよ。








そこには1人だけいた。
恐らくボス。
背が高く、サラサラな黒髪で短髪。
綺麗な黒い瞳。
俗に言う「イケメン」だ。
見た目は、どこにでも居るチャラそうな男。

しかし────



強いぞ、こいつ。
たくさんの敵と応対してきた俺だからこそわかる。
多分、いや絶対にこいつが武器庫に大穴を開けた犯人だ。



「ディセイブ」のボス────柊は、ニコニコしながらこちらに向かって話し始めた。
佐藤の情報によると、こいつの異能は炎を操る系統らしい。
「構えろ。」俺はそれだけ言って、相手に向き直った。



柊︰ようこそいらっしゃいました。
近々来るのではないかと思案していましたが、まさかこんなに早いとは。
お茶でも飲みながら談笑したいところですが、私の部下を殺した罪は重いのでね。
責任を取ってもらいましょうか







急に彼の笑顔が消えた。
来る。本能で察知した。と、

ﾎﾞｫｯｯ

まるで大蛇のように炎が地面を這って、俺たちのもとに迫ってきた。
こりゃ当たれば丸焦げコースだな。

炎の大蛇はうねるようにこちらへ向かってくる。
さァ、果たして誰が標的になるのか。

────佐藤か。



大蛇の首は、明らかに佐藤に向けられている。
彼女は慌てて銃を構えるが、炎にそんなのきくわけないだろう。どうすんだよ！



A︰馬鹿っ！！！
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柊 麗雄→「ディセイブ」のボス。

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