37〜JS〜 ページ37
もう少しこうしていたかったけど
また見られたりしたら
ヌナも僕もまずいから
仕方なくその腕をほどく
クルッと回る椅子に座ってたAヌナを
クルッと椅子ごと
その身体を僕の方に向ける
Aヌナは
真っ赤な眼をしてて
ほんと…
その顔は反則だよ、ヌナ
また正面から抱きしめたくなるのを
必死で
本当に必死でおさえて
ヌナの前に跪く形で
Aヌナに話しかける
「なんか…悲しいこっとあったか?
Aヌナ。最近
寂しそうに見える時があったよ
話したかったら、俺聞くし
話したくないなら…別に言わなくていい。
Aヌナ?元気だっして?ん?」
めずらしく、「俺」なんて言っちゃったよ
俺を 頼って欲しかった
俯いたままのAヌナ
だけどフッと
(笑)
「ふふ。じゅんすも「俺」って言うんだね。
ふふふ。かっこいい^^
うん。
うん…だいじょーぶ。
ジュンスに話すのが嫌とかじゃないの。
でも、これ自分で乗り越えなきゃいけないことで。
だから…。ごめんね?
ありがと。ありがと、ジュンス。
いつも…ありがと…(泣)」
あー。ヌナ泣かないで。
涙を拭おうと、思わず手を伸ばすけど
触れてしまったら……
触れてしまうのは……
Aヌナに
触れてはいけない気がした
伸ばしかけた手を 引っ込めて
僕は
“ぱちん”と両手を合わせた
「そっか! ん。
『俺』ってカッコいいかー!やったー。
よし、これからは俺って言うーー!」
こんなことしか…言えない
「じゃあ。さ?
ヌナ。これ。俺からのお守り。
元気になるお守り。
俺が日本から離れてる間、Aヌナが持ってて?」
こんなことしか
僕にはできないんだ
でも
そう、話す僕を
泣き笑い顔で 見てくれてる
Aさんがそこにいたから
ヌナが笑ってくれさえしたら、
僕はそれでいいんだ
48人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:maco | 作成日時:2020年10月6日 15時