百二十二話 刀を使って ページ45
「はぁ…はぁっ……」
あれから数十分後、無一郎さんが起き上がった。
(もう起きても大丈夫なの…!?)
私は無一郎さんの背中をさすった。
良かった、もう泡を吐く気配はない。
「炭治郎の…ところに行くよ……咲雪…!」
「…!」
「あの刀を持って…!」
無一郎さんは、鋼鐵塚さんが夢中で研いでいる刀を指さした。
私は無一郎さんのその表情を見て、大きくうなずいた。
「ジャコジャコ…」
私と無一郎さんは、ゆっくり鋼鐵塚さんに近づく。
「ちょっ…お二人とも!?」
「…(コク」
(えいっ!)
「がっ!なんだ!!」
私は鋼鐵塚さんを抑えた。
そしてその隙に無一郎さんが研ぎ途中の刀を取った。
「あっ、おい!!こら!!」
「咲雪、炭治郎たちの居場所、分かる!?」
「…!!(コクリ」
「よし、行こう!!」
私たちは、鋼鐵塚さんに追いかけられながら、炭治郎さんのもとに急いだ。
「待てくそガキ共!!」
後ろからとんでもなく大きな怒声が聞こえるけど、私たちは止まらない。
今、炭治郎さんたちは大変な目にあっているんだ。
この刀を渡さなきゃいけない時がきっとくるはず…!
・
「咲雪!」
「…!」
「くっそ!!返せ!!」
(早く、早くしないと…!)
私たちは交互に刀を持つ係を交換しながら走っていた。
鋼鐵塚さんは刀しか狙ってこないから、持ってない方は狙わない。
そしてさっきから空の色がだんだんと変わり始めている。夜明けが近いんだ。
(…!崖…!!)
しばらく進んでいると目の前に崖が見えた。
崖の下を見ると、炭治郎さんがいる。刀を持っていない。
「咲雪、投げて!炭治郎に届くように!」
「…(コクリ」
私は思いっきり刀を投げた。
刀は丁度、炭治郎さんの目の前に刺さった。
「とっ、時透君!咲雪ちゃん!」
「炭治郎それを使え!!」
「返せ!ふざけるな殺すぞ使うな!!第一段階までしか研いでないんだ!!返せ!!」
「夜明けが近い!!逃げられるぞ!!」
「こんのくそガキ共めが!!」
「ゴッ!!」
鋼鐵塚さんに頭を殴られた。
痛くて涙が出そうだったけど、必死にこらえた。
(炭治郎さん、頑張って…!!)
・
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ねぎとろ丸(プロフ) - 黎音さん» あ、ただの誤字ですね(-_-;)ご指摘ありがとうございます。今まで修正できてなくてすみませんでした。 (2021年2月13日 18時) (レス) id: 0f7aa38795 (このIDを非表示/違反報告)
黎音(プロフ) - 炭治郎との再会だと思うのですが、再開何を再び始めるのでしょうか (2021年2月13日 11時) (レス) id: 9cf40aceea (このIDを非表示/違反報告)
ねぎとろ丸(プロフ) - ルリーナさん» ありがとうございます( ;∀;)お優しいですね…ありがとうございます(二度目)これからも頑張ります! (2020年9月27日 9時) (レス) id: 504f2e69b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルリーナ - 毎日楽しみにしています頑張ってください。でも無理せずご自身の体を大事にしてください (2020年9月25日 21時) (レス) id: 18617ecf20 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎとろ丸(プロフ) - 未桜さん» コメントありがとうございます!最高だなんて、とても嬉しいです!これからも頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします! (2020年9月22日 19時) (レス) id: 504f2e69b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねぎとろ丸 | 作成日時:2020年8月4日 18時