【鬼滅の刃】霞柱の喋れない継子 参

九十話　過去編 其の玖 ページ11

氷造side

あいつの涙を見た後も、俺は屋敷に通い続けた。


『おはよう！元気か！』

『…！』


日を重ねてくうちに、あいつは笑うようになった。

食事も良く食べて、顔色も良くなった。



そしてとある日、俺は決断した。


『俺、あいつを引き取ろうと思う。』

『えぇっ…！？』


食事当番の若造は複雑な顔をした。


『なんだよ、悪いか。』

『いや、特に悪くはないですけど……あの子供、人間を相当怖がっているんですよ？』

『その点は安心しろ。あいつの心はもう見透かした！(ｷﾘｯ』


『全く意味が分からないんですけど…』

『とにかく俺に任せとけ！』


俺は胸を張った。

若造は「えぇ…？」と困惑している。


『よぉ！今日はちと遅くなったが、来たぜ！』

『！』


若造に構わず、俺は部屋に入った。

子供は丁度食事を食べ終わった感じだった。



『お前、俺のところに来ないか？』


俺は率直に言った。

だってその方が伝わりやすいしな。


『そしたら色んなこと教えてやる。』

『…』


子供はポカーンとしたが、その後嬉しそうに笑って、うんうんとうなずいた。


『よし！決まりだな！明日また来る、それまでに準備しておけよ。』

『…(ｺｸﾘ』

『じゃあな！』


俺は子供に手を振った。子供も俺に手を振ってくれた。


『え、まさか…』


障子の向こうで待っていたさっきの若造が、恐る恐る聞いて来た。

だから、俺は言ってやった。




『あぁ！そのまさかだよ！』




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