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48.(宏光side) ページ48

静かに繰り返す波の音

暗闇に浮かぶ上限の月

そして…一際光る一粒の星…





「星、綺麗だね。」

「ホントだ。全然見えてなかったな…」

「んふふ。俺のプロポーズに感激して…でしょ?」





暗闇に慣れて、悪戯に笑う太輔の顔もはっきりと見える





「別に。」

「あんなに泣いてて、今更強がっても説得力無いよ。」





クスクス笑う太輔に、ぷいっと顔を背けたら





「可愛い…」





肩を抱き寄せられ、唇にそっとキスされた

ゆっくりと離れていく温もり





「…宏光の眼に…星が映ってる…」

「え…?」

「キラキラ光ってる。…とっても…綺麗だ。」





2人で空を見上げれば…





「北極星…」

「そうだね。」





あの日…2人で見上げた星も同じ星…





「太輔、知ってる?」

「ん?」

「あの光はね、430年前の光なんだ…。」

「へぇ…。じゃあ、今あそこで輝いてる光は、430年後に地球に届くの?」

「そうだよ。」





君は変わらない…あの時と何も…





「…430年後の空にも…あの光は見えているのかな…」

「うん…。きっとね…」

「なら…約束するよ。…あの星が輝き続ける限り、ずっとずっと宏光を愛し続けるって。」

「太輔…」





君は覚えているんだろうか…

430年前に2人で交わした約束を…





「愛してるよ。宏光だけを…

ずっとずっと…愛してる…」





あの時と同じ…愛の言葉を囁く君は…





あの時俺が望んだ夢の意味を…





受け止めてくれるのだろうか…







第1章 完



.

第1章 あとがき→←47.(宏光side)



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作者名:MISA | 作成日時:2016年6月29日 21時

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