４６．（宏光side） ページ46
俺の前で静かに俺の言葉を待ってくれる太輔のご両親
隣で俺の手を握って、微笑んでくれる太輔
部屋に差し込む冬の弱々しく柔らかい陽射し
そのどれもが俺を温かく包んでくれているように感じた
「こんな僕を…こんな風に迎え入れて下さって、本当にありがとうございます。こんな日が来るなんて、思ってもいませんでした。」
もしかしたら、俺には永遠に来ないかもとさえ…
「僕はこんな体で…本当は恋をする事さえ許されないんじゃないかってずっと思ってました。でも…太輔さんは愛してくれた。太輔さんだけなんです。こんな俺を…こんなにも愛してくれたのは…」
ギュッと握られていた手が優しく解かれ、そっと包まれる
「太輔さんを愛してます。ずっと…ご両親に謝りたいと思ってました。」
「宏光…」
「こんな僕が…大切な息子さんを好きになってしまって、すいません。でも…」
太輔が好きな気持ちは止められない…
もう…太輔なしでは…生きていけない…
太輔が包んでくれる手をギュッと自分で握りしめた時
「自分を卑下するのはやめなさい。」
それまで…ずっと口を閉ざしていたお父さんが言葉を発した
「これまで君が、どんなに辛い思いをして来たか…私にそれを推し量る事は出来ない。けれど、太輔が愛した人なんだ。自分に自信を持ちなさい。私達も、君は素晴らしい人なんだと信じているよ。」
ずっと取り払う事の出来なかった小さな闇が、すっと消えて
太輔が与えてくれる光が真っ直ぐに心を照らしてくれる…そんな気がした
「この先どんな事があっても堂々としていればいい。宏光くんの事は、私達家族が守る。君は、藤ヶ谷家の家族なんだから。」
「親父…」
「家族を守るのは当然の事だろ？」
お父さんの全てを受け入れるような笑顔
お母さんの優しい包み込むような笑顔に
感情が溢れ出て、涙が止まらなかった
その日の夜…
お母さんが作ってくれた夕食を4人で囲んで、太輔の実家を後にした
「祐輔と亮輔が宏光くんに会いたがってたわ。また、遊びに来てね。」
お母さんは帰り、そう言って見送ってくれた
また来ても良いんだ…
ここが、俺の第3の故郷になるんだ…
込み上げる喜びは…止まる事はなかった
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 816人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MISA
| 作成日時：2016年6月29日 21時
