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24.(太輔side) ページ24

宏光から語られる過去は、聞いているだけで胸が苦しくなるくらい悲惨なもので…

ずっと宏光が抱えていたもの…

その重さに自分の今までの言動を責めた





「全部俺のせいなんだ。俺さえ、この世に…」





生まれてこなければ良かった…

そんな悲しい言葉を宏光に言わせたくなくて、宏光を引き寄せ力いっぱい抱きしめた





「ありがとう…生まれてきてくれて。生きててくれて…ありがとう。」

「太輔っ…」





この温もりがあればそれでいい…それだけでいい

心からそう思った

2人が冷たい海からこの温かい地へ戻って来てくれた頃、心から感謝した





「ありがとう。お母さんを止めてくれて…。戻ってきてくれて…。俺に…出会ってくれて…本当にありがとう。」





何度だって言うよ

宏光に…お母さんに…神様に…目に映る全てのものにありがとうって…





「宏光…」

「太輔が好き。」

「え…」

「太輔を愛してるんだ。ずっと…太輔の傍にいたい。」





初めて…宏光が俺に愛の言葉をくれた瞬間…





「…もう…一回言って…?」

「愛してる…出会った時からずっと…太輔だけ愛してる。」





ずっと…夢見てた瞬間…





「俺も…ずっと宏光だけ見てたよ。」

「太輔…。」

「ずっと宏光を愛してた。そして…これからもずっと…宏光だけを愛してる。」





だから…もう一度伝えるよ





「宏光とずっと一緒にいたい。俺と…付き合ってください。」





宏光は…すぐに頷いてくれると思ってた

ただ笑って…ありがとう、と言ってくれると思ってた





「…俺も…太輔と一緒にいたい。太輔の恋人になりたい。でも…」

「でも…?」

「俺の体は…」





宏光の遺伝子は研究対象として政府機関に管理され、月に一度の通院を約束させられている事

自分でも予期できない体調不良

この先どんな事があるか…保証できない体

宏光から次々と発せられる言葉に、さっきまで見えていた光を覆う雨雲みたいに不安が広がっていく





それでも俺は…宏光と一緒にいたい

宏光と…共に生きていきたい

俺の最後の恋愛だって決めたから





「宏光、それでも俺は…」

「俺は…多分…長くは生きられないよ…」

「…え…?」





この時俺は…

雷みたいに体を突き抜けた恐怖に

なんと宏光に言葉を返したのか…





気付けば…自宅のベッドでただ呆然と朝を迎えていた






.

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作者名:MISA | 作成日時:2016年6月29日 21時

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