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11.(宏光side) ページ11

「おっと…王子様の登場や。」





頭を撫でる優しい温もりが急に無くなって、思わず顔をあげたら

超不機嫌な顔をした太輔が立っていた…





「…なにイチャイチャしてんの…。」

「…してねぇよ。」

「嘘!大倉くんに頭撫でられて嬉しそうだったじゃん!」

「そんな事…ねぇって…」

「……」





太輔が拗ねた顔で俺の頭をくしゃくしゃと撫でる





「ちょ…太輔っつ///」

「…俺がやっても、ちっとも嬉しそうじゃない…」

「そ、そう言う訳じゃ…」





それは…息が止まりそうなくらい苦しいから…

太輔に触れられると胸がキュンってなる

心臓を掴まれるみたいに苦しくなるんだ





「藤ヶ谷くん、それはな、愛の深さや。」

「は?!」

「俺は、藤ヶ谷くんがおらん2年間に、宏光と愛を育んできたんや。」

「…」

「分かるか?2年と2か月じゃ、天と地との差や。」

「…愛の深さに時間なんて関係ないでしょ。」

「あ?」

「愛はパワーですっ!俺の方が2歳若いから、パワーがあります!」

「2歳位変わらんやろ!」

「天と地の差なんでしょ!」

「パワーは関係あらへん!」

「…でも、この間食堂まで競争した時、先にバテたの大倉くんですよね。」

「…」





また始まった…2人の小競り合い…

2人で競争って…何やってんだ…?

よく飽きないでやってるよな…って思う

ってか頭の上でやるの、止めてくんないかなぁ…





「腹減った…」





今日は何を食べようか…

学生カードを鞄から出そうとして気が付いた





「あっ!」

「何?!」

「どうした?!」

「学生カード、忘れてきた…」

「は?!どこにっ!?」

「多分、図書館…」





さっきデータチップ借りる時に渡して、受け取った記憶がない…





「ちょっと行ってくる。食堂先に行ってて!」

「分かった。席取ってるからな。」

「うんっ!…あっ!」

「今度は何!?」

「太輔…俺、日替わりランチ♪」

「買っとく♪」





はぁ…学生カード忘れてくるなんてツイてない…

けど、お昼は太輔が奢ってくれるからプラマイゼロか♪

ランチが待ってるから急がなきゃ!





講義が終わりざわざわと学生が増え始めるキャンパスを、急ぎ足で通り抜ける

少し前までいた図書館はもうすぐ





これが…

2人目の運命の人との出会いになるなんて

この時の俺はまだ気付いていなかった







.

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作者名:MISA | 作成日時:2016年6月29日 21時

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