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『ごめん…ごめん』
苺谷くんの手を濡らしてしまっている
る「大丈夫だから。…ね?」
そう言うと今度は私を抱きしめてきた
る「1人で泣かなくていいから。…その涙、僕でいいなら何度だって受け止めるよ」
吐きまくっちゃいな
甘やかしの言葉が私の心を揺さぶってくる
止めよう止めようって思ってても
止まらない涙
る「…はじめて伊藤さんと関わった日…あの放課後も、これが原因で泣いてたの?」
『…まぁ、そうなるかな。私だって自由になりたいって思っちゃって』
る「そっか。ピアノの弾き方がね、僕がストレス発散する時の弾き方と似てたからもしかしたら伊藤さんは何か悩み事あるんじゃないかなって思ってたんだ…」
『鋭いんだね…』
る「そうかな。そうかも」
『…もう落ち着いたよ。ごめんね』
そう言うと体を離してくれる
る「帰れる?家にいて辛くない?」
『お父さんいるから…帰んないと』
多分、お父さんも辛いんじゃないかな
る「送るよ。ちょっと暗いし」
いつの間にか、ちょっと薄暗くなってて
こんなに時間が過ぎてたんだな
『ほんとにごめん』
る「気にしない気にしない」
そう言ってくれるけど
いきなりこんな話しちゃって
頼ってばっかで
る「あ、そういえば行きたいところある?」
『え?』
る「さっき話した修学旅行の前に遊びに行くってやつ」
『あぁ。あんまり出かけたことないから苺谷くんの好きなところでいいよ』
る「んー…遊園地とか?あ、映画とか」
『映画…』
なにか面白いのやってたっけ
る「映画にする?僕今何やってるのかわからないんだけど…」
『私もわからないなぁ』
る「ころちゃんに聞いてみる?なにか知ってそう」
『あ〜…確かに』
る「今日聞いてみるよ。」
『うん。あ、もうあそこ家だから。もう大丈夫』
る「いいよ結構暗いから。」
『ごめん…』
る「やだ謝らないで。」
『…ありがとう』
る「どういたしまして」
調子狂うな
うーん
家まで着くと、お父さんが玄関前でうろちょろしていた
「…!A!」
『お、お父さん…』
「大丈夫か?…その男、彼氏か?」
苺谷くんを指さして問い詰める
『違う違う。友達。』
色々助けてくれた。そう言うとお父さんはきょとんとしつつも笑顔になって
「おー。そうか。君、ちょっと家で休まないか?」
『え?』
る「んん?」
私のお父さん、こんなに積極的だったっけ
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天音 - 夢主の気持ちすごく共感できる。私も学級委員長だから、その気持ちよくわかる。家庭は普通だけど色々あって、溜め込む。私もこんな毎日が続いているけど、これ見てすごく泣いたからかな、結構、楽になりました。ありがとうございました。 (2021年12月23日 0時) (レス) @page22 id: 762cbec691 (このIDを非表示/違反報告)
あやら - 面白いです!もっと読みたい!いつでもいいので更新頑張ってください! (2020年9月21日 15時) (レス) id: 99c1120ef0 (このIDを非表示/違反報告)
まと(プロフ) - たったも面白かったです!もっと早く出会いたかった! (2019年9月23日 23時) (レス) id: 8f5bdce57b (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃ - ものすごく感動しました。新作楽しみにしてます! (2019年9月14日 10時) (レス) id: 7dc9d510f6 (このIDを非表示/違反報告)
梨愛-ria(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます!なんか読みやすいんですよね。短編集でも長編でもこれからも読ませていただきます! (2018年10月23日 17時) (レス) id: f49c58eb99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎはら | 作成日時:2018年9月19日 1時