【すとぷり】その涙を僕の肩に落としてよ

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「苺谷〜。これ頼む〜」

る「あっ、はい！」

いつもは私に来るはずの資料が

苺谷くんに行ってる


『…手伝うよ』

最近は放課後に二人で作業するようになった


る「修学旅行前ってこんなに大変なんだね…」

そう

こんなに資料整理が多い理由は、修学旅行があるから

中学生の時の修学旅行で行った人も多い京都

高校生は3泊4日。全部自由行動

ここの高校の修学旅行はかなり楽しいと有名で

お夕飯を食べながらのど自慢をやったり

学年全員でレクをしたり

だから、色々企画をしないといけないし

なにより学級委員のやることが多い

仕事予定を合わせるために
全クラス学級委員で一班になって回るんだけど

あんまりみんな自分から話さないからどこ行くって話をしてもほぼ無言

『…苺谷くんの班は修学旅行、行くところ決まってるの？』

る「んーとね、お寺巡り。清水寺、金閣寺に銀閣寺…」

なるほどね

る「そういえば全クラス学級委員でまわるんでしょ？莉犬に頼れば大丈夫だよ」

『莉犬？』

る「あ、りい。りいのことね」

『あぁ。…え、仲いいの？』

る「仲良いも何も家族だからね」

『…え』


隣のクラスの学級委員

苺谷りいくん

確かに珍しい苗字だけど

二人とも一緒だったね

『それにしても、顔似てないのね』

る「まぁ…うん」

ちょっと顔を濁らせている

まずいこと言っちゃった？


『あ、それより苺谷くんはのど自慢出るの？』

る「え、僕？出ないよ！」

『歌上手そうだけど…』

る「絶対に人前では歌えないなぁ…」

『そうなんだ…りいくんは参加してそうだったけど』

る「え、そうなの…？それより、りいくんって呼んでるの？」

『あ、うん。りいって呼んでねって言われたから』

る「そうなんだ」

そんなこんなで今日の資料整理も終わった









前まではこんな資料ぶちまけたいとか思ってたけど

最近は思わないなぁ

ちらっと目の前にいる苺谷くんを見る


君のおかげなのかな

『ありがとう』

ついつい口から出てしまった言葉

君の耳にしっかり届いてたようで

る「えっ…？う、うん。」

ちょっと照れてた


る「…伊藤さんの笑顔、いいと思うよ。自然」

『え、ほんと？』

る「いつも作り笑いでしょ」

『…バレてた？』

る「この笑顔を見たらもうバレバレだね」

『嘘…』

ちょっと鬱陶しいと思ってた君

ごめんね

今は、結構楽しいなって思うよ

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