【ダイヤのA】俺が守るから

30 ページ31

秀島side





秀島｢…只今帰りました｣





家に帰ると、何時もと変わらない、
御母様と御父様の怒鳴り声。

また、喧嘩をしているんだろう。





秀島｢……｣





学校では、ツインテールが出来るけど、
家では出来ない。

“そんな馬鹿げた髪の縛り方、止めなさい”
……って、御母様に言われるから。





友達を作りたいけど。

皆みたいに楽しくお喋りしたいけど。

好きな人と、付き合いたいけど。





___________そんな事、許されない。





何故、私が、何も悪くないAさんを、
始末しなければイケないのか。

…御母様の命令だから。

…何て、誰にも言えない。





秀島｢……もう、独りはやだよ…っ｣





こんな事、呟いてたら御父様にまた、
殴られてしまう。

駄目じゃん、私…。





秀島｢でも、めげない…何て、もう、｣





言えないよ…っ。

私は……っ、自由に、なりたいのに…。





母｢那奈、もう“アレ”は始末できたのよね？｣

父｢那奈、帰ってきたなら早くお稽古しなさい｣




…嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!





秀島｢…っ！もう嫌だ!!!!!｣

母｢っ那奈！？｣

父｢おい…！？｣





私の腕を掴もうとする御父様の膝目掛けて、
思いっきり蹴りを咬ます。

私に向かって何かを投げようとする、
御母様なんか、無視して、
馬鹿げた大きい城のような家から出る。





秀島｢もう、散々なのよ!!!!!｣





怒鳴り散らして、思いっきり走る。
逃げ場所なんか、無いけれど…。





秀島｢…あんな家よりはましよ｣





取り敢えず、近くにある公園に向かう。

31→←29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す