27話 ページ26
呼出音に続いて、サトケンの声がする。
サ「誰だよ。」
立「立花です。」
サ「はあ?!」
その時になってようやく私は、自分の名前をサトケンに告げなかったことを思い出した。失敗した、そう思った瞬間、パニックになって何も言えなくなってしまった。
上「ああ、サトケン?」
上杉君が、私から携帯をひったくった。
上「俺、今でた彼女の友達。この間、交番出会ったろ。これから言うこと、よく聞けよ。盗まれた、ブラックメアリーを店に返して、示談書を書いてもらえば、おそらく逮捕はされない。
だが、その為にはブラックメアリーを取り戻さにゃならないんだ。俺たちがそれをやってもいいぜ。
ただし、お前の手引きが必要だ。シュンサクライ氏に接触して、ブラックメアリーの場所を調べるんだ。
やる気、あっか?」
電話の向こうで息を飲む気配がし、しばらくして返事があった。
サ「それでいいよ。」
上「おい、国語担当。こいつにものの言い方を教えてやれば?」
まあ、確かに。よろしくお願いしますくらい、言ってもいいのに。今度砂原に、言ってみようかな。
サ「俺が関わったってこと、砂原にもシュンサクライさんにも言うなよ。あっ、失敗しても俺は、責任とらねぇからな。自分たちで責任取れよ。」
上杉君だけでなく、誰もが次第に顔を曇らせた。ブツっと切れた電話を上杉君は、いまいましそうにテーブルに置いた。
上「なんか俺、凄く、ノれねー。」
皆がシーンとしていた時、再び携帯が鳴りだした。
若「サトケンだ。」
若武が素早くスピーカーにする。
サ「言い忘れてたけどさ、急げよ。今日、なんかあったらしくて、明日の朝早々にマルセイユにたつって言ってるから。」
きっと、私を逃がしたからだ。
サ「じゃあな。」
若「小塚、どのくらいで、薬つくれる?」
小「このまま授業サボって1時間後かな。」
若武が頷き、私たちを見回した。
若「じゃ、今から1時間後に駅に集合だ。」
Aside.
結局、安吾さんが黒のタキシードにボルドーのベストを着るというからそれに揃えて、ボルドーのドレスにした。ワンホルダーで、シースルーを重ねたフィッシュテールのドレス。
同じくボルドーの金色が踵にワンポイントで入ったヒール。金色のアクセントの着いた同色のロンググローブ。
髪は、緩く巻いて、編み込み、ハーフアップ。そこに、花をモチーフとした、宝石を埋め込んだ金細工。
大粒ダイヤのイヤリングにネックレス。
森さんに任せたら、このザマ。
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桃桜月(プロフ) - 沢山のコメント、ありがとうございます。現実バタバタでなかなか進まないですけど、これからも、よろしくお願いします。 (2022年7月9日 21時) (レス) @page42 id: 8c24d7f3c9 (このIDを非表示/違反報告)
椿姫 - すごい…!読んでてわくわくします。文ストもKZも大好きなので、嬉しいです。もう六週はしました!更新、頑張ってください!楽しみにしていますね。 (2022年6月29日 18時) (レス) id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
ミミィ - 面白かったです。頑張ってください。 (2022年5月28日 19時) (レス) @page29 id: bfe81bac03 (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - めちゃめちゃ好きです!!!!無理しない程度に更新頑張ってください!!!! (2022年1月14日 22時) (レス) @page7 id: b91e4bc22a (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - 続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください。楽しみに待ってます! (2021年12月10日 21時) (レス) @page3 id: c0d88fed6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃桜月 | 作成日時:2021年12月9日 21時