探偵チームＫＺ事件ノート×文豪ストレイドッグス。ハート虫は知っている。

40話 ページ40

Asaid.
意識が覚醒し、周りに誰の気配もないことを確認してから、ゆっくりと目を開ける。

手は、後ろで柱を通して手錠を嵌められていた。ひと通り、体に以上がないかチェックする。
ぐるりと辺りを見回すと、ここは廃工場のようで、太ももにつけていた拳銃もなくなっている。

さて、私の計画通りなら、もう翼を含む人身売買の商品になりかけた人たちは、太宰たちの手によって保護され、解放されているはず。

事前に裏切り者がいるという情報がvanishから降りてきていてよかった。おかげで万が一の時のために対策を立てることができた。これで、自分の任務に集中できる。

外そうと思った時に直ぐに外せるよう、袖口に刺していたヘアピンを使って手錠を緩める。

あとは、自分がどれだけ耐えられるか、だ。逃げれるのに逃げない。それは、特務課に潜り込んでいるハートのリーダーの情報を集めるため。

じきに私に情報を吐かせるために私の予想だとキングかクイーンがやってくるはず。ジョーカーは、流石に出てこないだろう。

けど、どの異能も私の敵にはならない。
私の異能で押さえつけることが出来る。

異能発動時に触れておかないと私の異能、カルミア・ラティホリアは、コピー出来ないが、キングもそれは、同じことだった。
キングの異能も触れている相手出ないと精神操作の異能をかけることは出来ない。

そして私は、まだコピー出来ていない。だから、異能をかけようとキングが私に触れた瞬間、

私の勝ちが決まる。

クイーンは、もうコピー済みだしね。私の異能の本質を知る人はこの組織の中に居ない。特務課の安吾さんと種田のおじ様がそんな怪しいやつにバラすわけが無いし、他に知っている人がバラすようなことをするわけが無い。

メリットなんてひとつも無いし、デメリットばかりだしね。そう思わさせ続けるためにもこの任務に失敗は許されない。
さあ、久々にひと暴れしようかしらね。
私の異能の本質をまだ知られるわけには、いかないのだから、武器を探さないとね。

じっくりと辺りを見回す。武器になりそうなのは、鉄パイプと、何故かある拳銃、それくらいかなあ。
まあ、武器なんてなくても勝てるけど。用心に越したことは無いもの。
さて、そろそろ来るかな。そう思っていたとき、ガチャ扉が重そうな音を立てて開く。
そして、現れたシルエットは、2つ。へぇ、2人で来るとは。

キ「やあ、元気かい？」

ク「まさか、お前がダウトだったなんてしんじらんねぇ。」

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