探偵チームＫＺ事件ノート×文豪ストレイドッグス。ハート虫は知っている。

37話 ページ37

翼も仮病を使ったみたいで、私たちは一緒になって斎藤総合病院に行くことになった。起き上がった瞬間、パッと電気が着いて本当にびっくりしたんだ。
教官にバレたって、そしたら、翼だったんだもの。私と翼が着いた時には、皆が揃っていた。

若「連絡は、携帯で取り合おう。着信音を消して、1番地味なイルミネーションに直せ。」

私のは、黒木君がしてくれた。

若「撮影は、俺と黒木、上杉だ。部屋に飛び込んだら、即写す。三人のうち誰かがやられても気にするな。とにかく、証拠を抑えろ。美門は、連絡係として、ここに残る。アーヤは、補佐だ。一緒に来い。」

上「俺が連絡係するから、美門連れてけよ。きっと、役に立つ。」

上杉君と翼の目があい、そこに微笑みが結ばれるのを、私は見ていた。え、なんだろ。

若「じゃ、上杉頼む。」

若武がいい、上杉君が万能キーオープンで裏口のドアを開けた。私は、こっそり服の下に手を入れ、事件ノートを取りだした。

上「よし、開いたぜ。エレベーターの動きと館内図で看護師や院長の動きが分かる。チェックして、送るよ。」

若「了解、美門。お前もこれ、もう一度頭に入れておけ。」

翼がこくんとうなづいた。そういい、進もうとした若武を上杉君が呼び止め、腕相撲でもするかのように曲げた腕を差し出した。

上「健闘を祈る。」

若武は、戻ってきて上杉君の腕に自分の腕をからめ、ローマ風の握手を交わした。珍しいな、普段こんなこと上杉君、しないのに。
私がびっくりして見ていると上杉君は、照れくさそうに顔をそむけた。自分のキャラらしくないことをやってしまったという顔つきだった。
翼が先頭に立ち、非常灯で照らされた階段を登っていく。3階まで来て、若武のスマホが一瞬光を放った。

若「見回りが始まったみたいだ。あそこ、非常口から出て、隠れよう。」

私は、音を立てないようにしゃがみこみ、胸の中に事件ノートを抱きしめて体育座りした。吹き抜けで風がふきつけて怖かったし、音を立てたら、作戦が失敗してしまうから。
そのまま私たちは、上杉君からの院長が動いたというメールを待った。隙間から若武が覗き込み、院長が306号室に入るのを確認して、皆でその部屋の前まで移動する。皆が携帯を連写モードにした。

若「行くぞ、アーヤはここで待機だ。ドアから飛び込んだ瞬間に写せ。カウントダウンするぞ。」

そして、飛び込んだ瞬間、部屋の電気が消えた。これじゃ、写真が取れない！私は、慌てて電気をつけた。

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