理由2 ページ19
「ツバキの様子がおかしくなってきてから、私はそのことが悲しくて、寂しくて、心細かったの。」
「なるほど…」
「もちろんツバキの前ではしっかりしていたわ。でもね、部屋で1人になったりすると、泣いてしまうのよ。楽しい遊びをしていた時のツバキに戻ってくれないかしらと思ってね」
「……せいら様………」
せいら様は、こんなにも
辛い思いをなさっていたのですね……
「でも、大好きなツバキが戻ることは無かったわ。いつでも私を厳しい目で見て、目の前にいるのはツバキではない人なんじゃないかって思い込んだほどだもの。」
「そうですよね…」
私も同じ状況にいたら
同じことを思うでしょうね。
私でなくとも、この人から離れたいと
思う人もおられるかもしれません。
「夜、寝ようとしても、ツバキのことが頭に浮かんで、寝られないの。目を閉じることさえ、できなくて、泣いて、泣いて、泣いてばかりで、十分な睡眠を取れずに起きる日もあるわ。」
「……そうなのですね……」
何でしょう。
私まで泣きそうです。
せいら様はこんなにもお辛い思いを
なさっているのに
なぜツバキさんはせいら様を
冷たくあしらうのでしょう…
「そのストレスを抱え込んで、誰にも話さなかったわ。時には狂った日もあった。暴れたりした日もね。それでお母様が病院に連れて行ってくださった時に、今のようになったのよ。」
「そうだったのですか……」
っと、せいら様が急に下をお向きに。
花様でしょうかね。
「せいらお姉ちゃん、ちゃんと話してた??」
「えぇ」
「そっか。さっき、わたちもお姉ちゃんも泣いてたのは、ツバキお兄ちゃんとわたちの年の時のせいらお姉ちゃんが遊んでた時のことを思い出したからだよ」
「……なるほど」
「ツバキお兄ちゃんがせいらお姉ちゃんじゃない子と遊んでたでしょ?それが、嫌になったの。悲しくて、寂しかったの。」
なるほど…だから泣いておられたのですね
ツバキさん
この思いに早く気づいて差し上げてください……
これ以上、お辛いお顔を見たくありません……
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくや@執事・メイド | 作成日時:2018年9月26日 10時