ありがちなトリップをしてしまった！3

丁か半か ページ30

(貴)「晋助！ちょっ、おまっ、なんで
　 先行っちまうんだよ！」

(高)「まだ着いてくんのかてめェは。
　 いい加減自分の部屋に帰れ。
　 用は終わったんだろ？」

そうだ、そう言えば神威に会えたんだ
からもう良いんだ。

乗ってきた船に戻って荷物をまとめて、
母艦の方の自室に移動させなきゃいけ
ない。でも……………

(貴)「俺らが乗ってきた船って何処
　 だっけ？」

(高)「俺は案内しねェぞ。一人で探せ」

冷たい！

(貴)「えー！無理だって迷う！道わかん
　 ねーもん！」

(高)「知るか。勝手に迷え。」

(貴)「いやー、ホントお願いしますー。
　 何でもするから！」

ピタリと晋助が足を止めた。

(高)「へェ、何でも、だな？」

(貴)「うん！」

(高)「いいぜ、案内してやる。」

マジか！嫌な予感しかしないけど
やったね！

(貴)「サンキュー！！マジで助かる！」

(高)「フン、」

また踵を返し歩きだした晋助の後を
追った。

(高)「おら、ここだ。とっとと行って
　 来い。」

目の前にあるのは俺達が乗ってきた船。

(貴)「おぉ！サンキュな！晋助！」

(高)「あぁ、じゃあな。何でもするっ
　 て言った事忘れんじゃねェぞ？」
　
げ、忘れてなかった。

(貴)「分かったよ。今じゃないんだ
　 ろ？」

(高)「あァ。楽しみに待ってろ。クク
　 クッ。」

喉を鳴らして笑いながら立ち去る晋助。

(貴)「怖っ、」

とりま荷物まとめに行くか！

一時間後！

(貴)「終わったァァァ！！！
　 ヨッシャァァァ！！！」

部屋の中の荷物を全て異次元ポケット
に戻しました！

で、母艦の方の自室に移動せねば。
どうせ3日後の神威の処刑の時に全て
片が付くから、必要なものだけ部屋に
置けばいいや。

阿呆提督から貰っていた自室の鍵を
握りしめ部屋へレッツラゴー！

部屋の中は、かなり広い。12畳はある
かな、これ。そして派手すぎないベッ
ドが隅に置かれている。

あれ？部屋の真ん中にすげぇデカイ箱
が置いてある。真っ黒で、ダンボール
みたいな材質。

なんだろうと思ってあけてみると、

(貴)「あっ、傘だ。」

中には夜兎用の番傘が入っていた。
ご丁寧に背中にさせるように固定ベル
トまでついている。

そういえば部屋に新品を届けさせる
とかなんとか言ってたな。

傘の他にも、頼んだ仕込みナイフ付の
ベルトと、黒の日本刀が入っていた。

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