ありがちなトリップをしてしまった！3

丁か半か〜阿呆提督と会議〜 ページ11

俺が今立っているのは、阿呆提督が待っ
ている部屋のドア前。

エレベーターの扉の様に重厚な作りの
そのドアの横には、インターホンの様な
ものが着いており、許可を取らないと
開けてもらえない仕組みになっている。

(貴)「阿呆提督、神威様がいらっしゃい
　 ました。入室の許可を。」

なるたけ上品に喋る。

(呆)「やっと来たか！入れ！」

ドアが開くのを確認して、神威を中へ
誘導する。

(貴)「神威様、どうぞ。」

そして、神威の後ろに続いて部屋に
入る。

(呆)「神威！遅かったな、座れ！如月
　 お前はワシの後ろに立っとれ。
　 貴様にも後で話がある。」

(貴)「了解致しました。」

何故に！？呼び出しといて立っとけだ
と！？酷くね！？

そんな事言っても仕方ないか…
黙って立っておこう。

つーか………俺に話って何だろう？
でも、この話の流れからして予想は
つくな。確か神威はこの後に裏切られて
牢屋に入る。って事は神威の世話係を
辞めるって事になる。多分その話だ。

でも、神威は晋助と関わって助かる。
俺が何かしても、意味は……………ないな。
話の通り進めるしかない。

(威)「タカスギシンスケ？」

聞き覚えのある名前に思わず肩がビクリ
とはねた。

(呆)「知らぬか。以前我らと盟約を
　 交わした、鬼兵隊なる武装集団の
　 首領よ。」

(威)「もしかして、地球の？」

でかいエビを口に加えたまま喋る神威。
行儀悪い。

(呆)「侍と言ったか。開国の折、棒切れ
　 一本で最後まで抵抗したという、
　 蛮族共の残党だ。」

(威)「へぇ。アホ、じゃない阿呆提督に
　 名を覚えてもらっているなんて、
　 大した御人なんでしょうね？」

(呆)「互いに利害が一致する範囲の働き
　 ではあるが、実に使える男。地球
　 の春雨に置ける実働部隊は奴らと
　 言っても差し支えあるまい。今回
　 の女狐を狩ってきたのも、奴等の
　 働きだ。」

(威)「へぇ、そうだったんだ。」

(呆)「しかし、少々気に掛かる事があっ
　 てな。聞けば奴等、江戸の政府を
　 打倒せんとするテロリストと言う
　 話ではないか。にも関わらず、我
　 らが中央と密約を交わそうと江戸
　 へ密航した折には、自ら政府の犬
　 共を引き付ける役を買って出た。
　 何故か。そなたに分かるか？」

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