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「制限時間は136秒。ボールに当たった奴が“オニ”となり、タイムアップの瞬間に“オニ”だった1人がファック・オフ野郎です」
「あと、“ハンド”禁止ねー......ルールは以上___......」
やっぱり全く理解ができない。絵心はイカれてる。
『ねえ、どういうこと?これが入寮テスト?なんでオニごっこ?』
「“オニごっこ”はプロでもウォーミングアップで行うトレーニングだが、これはストライカーの本質を見極めるために俺が考案した「エゴイズムテスト」......」
『えごいずむ......』
なんだかよく分からないが、絵心の目を見ると、詮索できなくなってしまった。
絵心は本気で、このプロジェクトに取り掛かっている。
読めないやつだけど、アンリちゃんと共に、絵心も何かしらを背負っているのかもしれない。
それが絵心の夢なのか、はたまた......いや、俺に知ったこっちゃない。
「覚悟して戦え。これはただの“オニごっこ”ではない」
減りゆくタイマーの数字、ぼそりと呟く絵心の言葉が、俺のナニカを揺らがせた。
青い監獄で負けた人間はこの先一生......日本代表にはなれない......。
サッカー人生を懸けた“オニごっこ”
キックオフ______!!!
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作者名:とうしろ | 作成日時:2022年9月4日 1時