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『日本サッカーがW杯優勝するために、世界一のストライカーを誕生させる』
その計画の元に集められた300人の高校生FWは、寮に向かうということ以外何も伝えられずバスに乗せられて。山を越えた先に＿＿＿＿＿......
・・
それはあった。
「Aくん、これ、資料確認しながら1人1人に配ってくれる？ごめんね、1人じゃ終わんなくてー！」
『は、はい！頑張りま＿＿＿』
『あー、もしもしアンリちゃん。蒼指Aには仕事させないでね。俺んとこ来させて』
「はい？どういうことです？＿＿_って！絵心さん！ちょ、切った......！」
渡されたユニフォームを持ったまま立ち尽くす。アンリちゃん、説明求む。
「えーっとAくん。ごめん！絵心さんから呼び出しです......ごめんね......ホント、ごめんね...っ！」
『あ、いや、大丈夫です！い、行ってきます！』
はあーっと息を吐き出す怖い顔のアンリちゃんは見なかったことにして、施設の中を駆け回る。
場所が分からないのだ、絵心はこういう所に関して計画性がない。
『絵心の連絡先はー......』
絵心とアンリちゃんと仲良くなったのは兄ちゃんが帰った後、
「フルネーム呼びウザい」
と、絵心に切り捨てられてしまったのがきっかけである。
おかげで少し話しやすくなれたが、そのことについて絵心にお礼を言う気はない。
俺と兄ちゃんは口の悪いヤツを好きにならないのだ。
『でた！もしもし絵心、どこにいるの？』
「えーとうーんと......説明ダルい。自分の頭使えバカ」
『は！？ちょい、絵心！』
ツー、ツー、無機質な音を奏でるスマートフォンを割れろと言わんばかりに強く握りしめた。
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作者名：とうしろ | 作成日時：2022年9月4日 1時
