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「あ！コイツ、名前なんだっけ...えーっと」イガグリだ。
「天使くんだよ」
「適当教えんなよ、蜂楽」俺はため息をつく。
「あーなんかそれっぽい！”テンシクン”だな。オシ覚えた！」
”しちがわって...志智皮！？有名進学校じゃん...”
”クッソ倍率高いあの...！？”
「へースゲェ」
「志知皮。俺も知ってるよ玲王」
｢え！お前らチームVの、凪と玲王！？｣
｢あ。潔｣
｢なんだ、潔もいたのかよ｣
振り返ると、この間試合をした、凪誠士郎と御影玲王が立っていた。
「お前ら...なんでここに」
「なんでって...そりゃあ皆んなの食堂だし」
まあ、それもそうか...
「ねぇ潔！天使くんって実在してたんだね！！」
蜂楽がいきなり飛びついてくる。危ねぇよ...というより。
「え？どういう意味だ？」
「だってほら見て！」
「あそこに天使くんがいるよ」
___え。
今まで画面越しでしか見たことのなかった”テンシクン”
今、目の前に現れた彼は_____
本当に”天使”のようだった。
「こんにちは〜！！君、名前なんてーの？」
『え？あ、蒼指Aです...』
「あ〜そうだ、そんな感じだった！”ソーシ”って変な苗字だね！」
イガグリが危険を察知して逃げていった。
おい蜂楽！お前、初対面とは思えないほど図々しいぞ...！？
俺は冷や汗を流しながら、二人の会話を見つめた。
『...君もなかなか良い名前してるけどね、蜂楽廻くん』
「え？」
『蜂でしょ？ぶんぶーんってやつ』
『あれ、違ったかな？』
え......この人、なんで蜂楽の名前を....？
いや、そうじゃない。
「ははっ...良い性格してんね君♪」
『それはどうも』
何が”天使”だよ......
ニコッと笑う”蒼指A”。
___目の前に現れた彼の本当の正体は、”小悪魔”がふさわしい、そんな妖美な雰囲気をまとった少年だった。
『それじゃあ、頑張ってね』
ヒラヒラと手を振った蒼指A。
気付けば俺は、いつの間にかその手を掴んでいた。
「え、あ......俺」
『知ってるよ。君の名前は”潔世一”』
「あ...はい。えっと」
自分でも、何でそんなことを言ったのかわからなかった。
口からこぼれ落ちた...本当にそんな感覚だった。
「あなたはどうしてブルーロックに来たんですか」
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作者名：とうしろ | 作成日時：2022年9月4日 1時
