青い監獄生と碧い看守生【男主】 (ページ25)

今日:32 hit、昨日:15 hit、合計:47,111 hit

25 ページ25

.

『あの、じゃあ続きはまた今度でいい？連絡もできるし......』

「......」

『不服そうだね、俺と喋るときの君はいつも不服そう』

「またしばらく逃げ出しそうだから。お前は、俺から」

冴くん、めちゃすごプレイヤーになったくせに、頭は成長してないみたい。一体、いつの話をしてるの。

『やばいタクシー来ちゃってるかもだから、ばいばい』

「......約束、破ったらコロスからな」

『へいへい、仰せのままに』

___________

タクシーの中で、考える。

俺はどうして、今、ここにいるんだろう。

冴くんと会って思い出した、兄ちゃんとの思い出。

冴くんと、凛くんとの思い出。

みんな、サッカーが好きだった。

大好きだった。

俺とは違う......、

俺はサッカーが好きだったわけじゃない。

サッカーが楽しかったわけじゃない。

サッカーが、やりたかったわけじゃない......。

じゃあ俺は、一体何のためにブルーロックにいて、サッカーに関わっているんだろう......？

どうして絵心は、俺なんかを、情熱のないプレイヤーを、ブルーロックに誘い込んだんだろう......？

どうして、兄ちゃんじゃなく......"僕"を？

.