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『兄ちゃん、今は大学探してる。......かな』
「......アイツは__」
『...俺には分かんないや！......あの、もういい？』
気まずい空気は、もうこりごりだ。
久しぶりで、たくさん話したいことはあったけど、兄ちゃんの話はご法度だよ、冴くん。
「待て、もう少し話せ。お前は、」
『...もう中学生だよ、2年』
「そうか...大きくなったな」
『なに冴くん、おじいちゃんみたいっ』
久しぶりの冴くんは、なんだか思ってたより話しやすくて、油断していると、ぐしゃぐしゃ頭を撫でられてしまった。
あ。変わってないね。まだそうやって感情表現してんの。
また凛くんに怒られちゃうよ。
『俺の兄ちゃんだぞーって...』
「っ」
『へ？』
凛くんは今もサッカー続けてんのかな、やめてるはずないか。そう考えながら口に出すと、冴くんの表情が曇った気がした。
気のせいか？
『凛くん今なにしてんの？』
「知らない」
『何、教えてくれてもいいじゃん』
「......」
『え、あの、なんかあったの？』
「いや、何もない」
『あ、そっか。ごめん』
「......スマホ。出せ」
『へ？いいけど...どしたの？』
「......ん。これ、俺の番号」
『ええ！いいの！？どうしよ、俺ファンの人に刺されちゃうかも！』
「......黙れ」
『あは、ごめん。だって嬉しいんだもん！』
「......たかが一人分の連絡先くらいで」
『だーって俺のスマホ、家族と家の留守電と塾のくらいしか連絡先入ってないんだもん！』
「......」
『え、引かないでよ』
「また会おう」
『うん、絶対連絡する！ばいばいっ！』
「ん」
糸師冴のLINEと電話番号ゲットしちゃったんだけど〜！！
すごくない！？
......また、一緒に遊べるといいね___...＿＿＿くん！
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作者名：とうしろ | 作成日時：2022年9月4日 1時
