15 ページ15
.
「お前はこれから、俺が指示するまで一歩たりとも部屋を出るな」
『へ？』
最悪の自己紹介後、
そう告げられ、俺は無機質な部屋に放り込まれた。
半日過ごしてみて分かった。俺はだいぶ悪質ないじめを受けているのだと。
『携帯は没収。娯楽用品の持ち込みは一切の禁止。テレビもない。食事は野菜だらけでひどいありさまだ！』
部屋にあるのはベッドとローテーブル。と、大量のノートと筆記用具。
勉強しろということだろうか。......まぁ一応、中学生ですし？
『はぁ......俺、これから生きていけんのかな......』
3日。
3日間。
3日間俺はとても退屈な日々を過ごした。
絵心いわく、一次選考の準備期間だとか。
その間俺はなんの指示も受けず、ただただ暇を貫いた。
ただ一つ学んだのは、うまく状況をつくれば勉強だって集中できるってこと。
......暇すぎたんだもん。
『もうノートも使い切ったし寝すぎたし、やることないし出してよー！！！』
俺はベッドの上で伸びをし、仰向けに倒れた。
「やぁ」
『絵心！？』
わきわき挨拶しながら入ってきたのは、加害者だった。
「お、なんだ生きてたのか」
『こっ...こいつ...！』
「冗談だ。お前の行動は全て監視していたからな」
『は？えっ、どういう......』
「お前の左腕......それはただの時計ではない。心拍数、血圧、脈拍、睡眠時間、運動量......
その他約20種の機能であらゆる測定ができる」
『へ、変態じゃん......！？』
「シャラップ。それより急げ、会見が始まるぞ」
『へ？』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 432人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とうしろ | 作成日時：2022年9月4日 1時
