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第二十訓 ページ22

Aは言った。



あいつが俺を待ってると。




だが俺は傷つけた





___あいつの心を。





待っていてくれなんて言わない









「残念です。
 
真選組の後ろ楯をえられれば
自由に商いができるというもの

縁者に近づき
縁談まで設けたというのに

まさかあのような病もちとは

非常に残念な話だ。」




あいつは今、幸せだろうか。



「・・・ハナからアイツを利用するつもりだったのかよ。」









「愛していましたよ

商人は利を生むものを愛でるものです


ただし、


道具としてですが。

あのような欠陥品に
人並みの幸せを与えてやったんです。

感謝してほしいくらいですよ。」








___人並みの幸せ、ねェ




総悟もそれを望んでいたな。








Aが怒っている





「...ふざけるな!


姉様が欠陥品だと

あの人は私に幸せをくれたんだ。

私の大切な人だ。

侮辱など許さない!」





.....そういう事か、






俺は




幸せを与えてくれたあいつに







「副長殿はなぜあのようなモノのために?」




ただ、


「惚れた女にゃ



幸せになってほしいだけだ。」





ただそれだけ。






「撃てェェェェ!!」




砲撃が襲う。









俺と旦那は二人で残された。








「ひでー奴だよ、ホント。

わかってまさァ、俺の姉上が
ひでー奴に惚れるわきゃねーってこと位。」







ホントは...分かってた




野郎が姉上の幸せを思って拒絶してたこと位








野郎が姉上の幸せを願ってること位






「分かってたんですよ

でも癪じゃないですか。


野郎は気にくわねェ




___気にくわねェ野郎のままでいいんでさァ。」





長ェ話をした。



だいぶすっきりした。




「野郎には
大事なモンいろいろ持っていかれたが

行かなきゃなんねェ

旦那、聞いてくれてありがとうございました。」






「その大事なモンに

アイツも入っちまってるんだろう。」





「旦那!!」





「さぁ、眠気ざましに一丁いくか。

最後まで付き合うぜ

総一郎君。」





・・・寝てねェなこの人





「旦那、クマ。」









___姉上、俺ァ幸せモンだ





長ェ人生でもそうそう会えるもんじゃねェ






そんな悪友を



人生で三人も得たんだ









姉上が、笑ってるような気がした。

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作者名:七竈 | 作成日時:2015年12月10日 23時

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