第十四訓 ページ16
銀さんと一緒に、姉様の病室まで歩いた。
銀さんが病室の扉に手をかけたが、
私は静止したままだった。
「どうした。」
と聞かれた。
正直、まだ気持ちの整理がついていなかった。
自分のために姉様の側によるか。
私のかってな幸せ論を姉様に押し付けて
姉様が長くないと認めてしまうか、
あの男を姉様のもとに帰らせるため戦うか。
きっと最後を選べば
私の心は殺さなければならないのだろう。
私の心中を察してくれたのか、銀さんが
「先入るぞ。」
と言って中に入ると扉を閉めた。
中から話し声が聞こえる。
姉様の声が聞こえた。
幸せにならなきゃね、と。
分からない。
本当に姉様を幸せに出来るのは・・・
「オイ、大丈夫か?オイ!」
銀さんの焦った声が聞こえて、扉が開いた。
「ミツバが倒れた!」
私はかなり冷静だった。
「お医者様をお願いします。
私は行きます。」
少しの沈黙が訪れた。
「決めたのか。」
銀さんの台詞は、いつか土方に言ったものだった。
「ええ。」
と返事をして病室を後にした。
Aが行く前、ミツバに聞いた。
「Aを手離しはしないのか。」
と。
「ただの私のわがままなの。
でも、いつまでも私の妹でいてほしかったわ。」
切なそうに悲しそうに言ったのは、
あいつの気持ちに気づいていたからなのだろうか。
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作者名:七竈 | 作成日時:2015年12月10日 23時