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続参 ページ7

座り込む私に太宰さんはいつも以上に綺麗で、けれど狂気に満ちた顔で私の顔を覗き込んでいた。

部屋の中には、私の写真が何枚も貼ってあった。そして、何で作られたわからないが、まるで生きている人の手をそのまま切って置いてあるような作り物であろう手が1つ。

「腰を抜かした?ふふ、可愛いね。」

「可笑しいですよ。なんで、こんなに写真があるんですか」

彼が私を撮るなんて行動は今まで見たことがない。数枚なら、まだ驚くだけだというのに。

「好きだからよ。どんな表情も、写真に収めたいからね。」

確かに、好きなら、そう思い写真に収めたい気持ちは分かる。けれどその写真の量が普通じゃない。

「それに、私の中で優希ちゃんは理想の子だ。なんだって、こうやって私にしか触れられない優希ちゃんは、自然と私としか居られないからね。」

太宰さんの右手は私の頬をそっと撫で、左手は私の指と絡めさせてきた。それが、好きだったのに怖くなった。離れられない。

私は怖くて何も言えなかった。

「私だけを求める優希ちゃんがとても可愛いと思ったよ。武装探偵社に初めて来た時も、まるで迷子の子供のように悲しんでいて・・・ふふ、あの時の優希ちゃんの顔、写真に収めたかった。また、泣いてくれるかい?」

可笑しい。私は悲しみよりも、恐怖で泣きそうだった。

「私が怖いかい?」

綺麗過ぎる太宰さんの微笑みに私は殺される気がして目を瞑った。

「駄目だよ、ほら目を開いてごらん。何も怖くない」

怖くないものなんてない。私は太宰さんが怖い。

「・・・優希ちゃん」

「っ・・・」

あぁ、怖い!耳元で囁かれる言葉が何より怖い!

怖くて怖くて涙を流せば、その涙を太宰さんは舐めた。

「さぁ、立って呉れたまえ。私は、君に教えてあげたいことがあるからね。」

手を引っ張られ、強制的に立ち上がらせられる。そしてその足は、あの手へと向かう。

「いやだ、やだ!やだよ、太宰さん!」

「怖がる必要なんてないよ。取って食べるつもりはないからね」

「ほ、本当、ですか」

「うん。食べるなんて勿体ないからね」

「っ・・・」

それは、つまり取るのではないか。

「私の、手を・・・取るん、ですか」

「どうだろうね。ふふ、優希ちゃんは、何を想像してるのかな?」

その言葉に私は口に出すのが嫌で黙った。そして、連れられた別の場所で私は断末魔を上げた。

その後は思い出したくない。太宰さん、私の何処が好きなんですか。答えを教えて下さい。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , ヤンデレ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2016年6月25日 8時

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