【文豪ストレイドッグス】異常な彼の愛し方-壱- (ページ47)

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続壱ページ47

私の異能力は、犯罪者や被害者、加害者などの人達の身につけていたアクセサリーか、または衣類などに触れることで記憶を読み取る事が出来る。その為、その人達の心情や行動全て映像として流され、記憶する事が出来るのだ。

だが、その記憶を読み取ることで私の記憶が犠牲となり無くなっていくのだ。

それに気付いた時には、もうほとんどの記憶をなくしていた。なくしていたから、誰かに会っても、電話されても私は相手が初対面の人間として接しているのだ。

そんな私の異能力だが、まだ忘れていないのは江戸川乱歩さんと自分の異能力のこと。

記憶も、一気になくなる事があれば、ほんの些細な事しかなくならない事もある。私の記憶の消失は無作為に消えていくのだ。

そのせいもあって、今私が異能力を使うのは禁止されている。未解決事件の依頼も社長がわざわざ断ってくれている。というのは日記に書いてあった。

「さて、今日から僕と一緒に一周間の間、事件の調査だ。荷物は警察の人がやってくれたみたいから、荷物は少ない。まぁ、事件を解決するのに一週間もいらないけどね。」

自慢気に言う彼に私は取り敢えず微笑んだ。彼をどのように接していたのかも私はなくしてしまったようだ。

それから彼に言われた場所へ行くだけだったが、その場所は事件現場だった。

事件は殺人事件。殺害された現場には流石に行けず、離れた所で私は時間を潰すしかなかった。

事件は人気が少ない道で、被害者は若い女性。それぐらいしか情報は聞けなかった。

「すみません。あなたが優希さんですか･･？」

「そうですが･･･？」

名前は乱歩さんが教えてくれた。警察の男性ががなにやら半透明な袋を抱えて訊いてきた。

「実は事件で事で、今回のとは別の事件なんですが･･･未解決事件の被害者の身につけていた物を持ってきたんです。お願いです！勝手ではありますが、この事件を解決したいのです！時効が過ぎる前に！僕は、どうしてもこの事件の犯人を見つけたいんです！お願いします！」

ーあなたの異能力で、事件を解決してください！

必死に頼む男性だが、私は異能力の発動は禁止されている。発動の許可は社長の許可を貰わなければならない。

「すみません。私は･･異能力を禁止されているんです。お力になれません。」

頭を下げて、私は断った。

「そんなの、どうしてですか･･･？」

「あの･･･？」

警察の返された言葉に私の中には不安と心配と、そして後悔が顔を見せてきた。