【文豪ストレイドッグス】異常な彼の愛し方-壱- (ページ15)

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続弐ページ15

貧血なんて何時ぶりだろうか。

「何故、貴様は僕を恐れぬ」

腕を掴まれ、そのまま強く抱き締められた。

そして背中から感じる体温に私は安心感を得たのだ。もう私を傷付けることはしないと。

「恐れる必要がないからだよ」

答えなんて昔から決まっている。何故、私は芥川龍之介という人を恐れなければならない。

こんなにも不安定で不器用な彼が、私は好きだ。ずっと、ずっと。

「何故、その必要がないと言い切れる」

「あははっ、分からない？君が好きだからだよ」

彼が、答えを欲しがる子供に見えて、それが可愛く思えた。

「･･･僕をか」

「君以外の人間に、ここまでされたら、私は自ら命を絶つよ。」

私は、どうなら危険性の高い人を好きになるようだ。こうして、いつ私を殺すか分からない彼の傍に好き好んで居るのだから。

「私は君が好きだよ。君が、私をなんとも思わなくてもいい。それで構わない。」

私は、君の傍にいるだけでどれだけ満足しているか、君にはわかるまい。

「さて、芥川龍之介くん。私は貧血で、もう眠ってしまいたいのだが･･･」

寝かせてはくれないだろうか。と抱き締める彼に問い掛ければ、それに答えることなく、彼は血に濡れた首筋に顔を埋めた。

「何故、僕を･･･」

「可哀想に見えたから。そして真っ直ぐなのに、君は不器用過ぎる。」

そんな君を見ていると、どうしても気になってしょうがなった。けれど、進展も何もないし、居ても居なくても、君の中に私は居ないと思った。

君はきっと知らない。私は君を好きだということも、君が来たときに私が笑っていたことも。

「君が私を道具のように扱うのなら、それで構わない。この道を選んだのは私だから」

私は、首筋に顔を埋める芥川龍之介を見てみる。

彼の耳が、ほんのり赤く染まっていて、よく見なければわからないそれに、私は愛しさが込み上げてきた。

可愛い子だ。表現が下手な彼が、とても愛らしい。

「僕は･･傷付けることしか、出来ぬ」

「承知の上だよ」

「求めることしか出来ぬ僕を･･･嫌いには、ならぬと･･そう誓えるか」

「今此処にいる私に、それを言うの？嫌いになるわけない。誓うよ。私は、君と一緒居たい。」

それが、いつか私の身を滅ぼす結果に繋がるとしても私は彼の傍にいたい。

さぁ、答えを教えて。

彼は、その血に濡れた唇で私に接吻をしてくれた。初の接吻が血の味なんて、可笑しな話だけれど

「僕は･･･」

私は、やっぱり君が好き。