神 様 の 娘 【刀剣乱舞】

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爺が多い刀剣の影響で本丸の朝は早い。燭台切光忠と歌仙兼定は誰よりも早く起きて朝餉を用意し、次に起きる事が多い石切丸は皆を起こしにあまりない機動力で本丸を駆ける。
なので朝餉の前に石切丸だけが息を切らしてる状態が何度も発見された。意味がなさそうな行為だが石切丸の機動力は二上がったらしい。



Aも大体が起きてくる時間帯に小夜左文字に手を引かれながら大広間へと行き、朝ご飯を古備前の鶯丸と大包平の隣で食べる。

もぐ、と眠気のせいであまり動かない娘の口に見兼ねた大包平は、起きろ、と肩を軽く揺さぶって起こそうとするがAは反対側に座っていた鶯丸に寄りかかり目を擦った。




「まぁまぁ大包平、たまには寝惚けても良いじゃないか。俺達の娘はこんなにも可愛い」


「鶯丸。お前がいつもそうやって甘やかしていては直るものも直らん。ほら起きろ」


『ん、はい……いま、起きます』




安定感皆無で揺らついているAの頭を、あまり急かしてやるな、と鶯丸が撫でる。大包平はそれが駄目なんだぞと声には出さず心の中で強く思いながら、仕方ない、と娘の皿に箸を伸ばし金平ごぼうを食べさせた。


自分の半分も満たない小さい一口に大包平は時々不安になる。幼子とは皆こんなものなのかと毎回考えるのだが、如何せん他に比べられる幼子が短刀しか居ない為本当かどうなのか分からない。

鶯丸に聞いてみようものなら、気にするなとか言われそうだしそれなら聞かない方がいい、と大包平は自己完結で終わらせる。




「A、白米だぞ」


『ん、あー』


「そう、三十回噛むんだ。ゆっくりでいいからな」




そうやって大包平が白米を食べさせて茶碗を空っぽにした頃には、Aの目はすっかり目が覚めていた。

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