神 様 の 娘 【刀剣乱舞】

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娘が小学校とやらに通いだしてから何日経っただろうか。半日も一緒に居ない生活を繰り返していたら、本丸の遅咲きの桜が満開に花を咲かせ風に揺れた花弁が縁側に舞う時期になってしまった。


入学してからA本人にこれと言った大きな変わりはないが、幼い頃から見ていた一期一振からしてみると平生より笑顔が増えた気がする。

元々が大人っぽいあの子からしてみると、それが普通なのかもしれない。



一期一振が粟田口部屋に入ると、娘は藤四郎兄弟に混ざって学校で教わって来たと言う折り紙を披露している。
誰に似たのかも分からない器用さを持っているAは、ものの数分もしないうちにどんどんと作り上げた。

鬱金香から朝顔、鶴や洋琴。見たことある物やそう出ないものまで綺麗に仕上げるのだから、その出来に驚かざるを得ない一期一振。




「Aは本当に器用だね」


『先生方の教え方が良かったんです。私はそれを真似しただけで……』




言いながら、はい出来ました、と一期一振の掌に娘が置いたのはハートの形に折られた真っ赤な折り紙。
紙同士のズレもなく丁寧に折られたと思われるそれは、たった数分で彼女の指によって作り上げられた作品である。

器用どうこうの域を通り越して、天才なんじゃないか、と近くで眺めていた骨喰藤四郎は静かに思った。




「それ可愛い！僕にも作って！」


「僕朝顔を折って欲しいです！」


「ぼ、僕は洋琴を……！」


『分かりました。丁寧に作らせて頂きますね』

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