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トントン、と麩を叩く音に集中させていた意識が途切れ、はい、と応える。
襖を少しだけ開けてひょっこりと顔を出したのは、練度がカンストして出陣も少なくなってきた大和守安定様だった。
「今、いい？」
『え、と、少し散らかってしまっていて、お見せ出来るような状態では無くて……』
「いいよ。僕気にしないから」
『……それでしたら、どうぞ』
大和守安定様は、やった、と言って私の部屋に入って来る。
そして何度も来たことがあるにも関わらず、私の部屋を物色するように見て回ってから用意させてもらった座布団に腰を下ろした。
『どうかなさいましたか？何か不備でも？』
「ううん違う。ただ見習いに髪を梳かしてもらおうかなって思って来ただけ」
『髪を……ですか？』
「そう。自分でするのは面倒臭いけど、清光とか兼さんとかにやらせるとうるさいからさぁ」
だからこんな事頼めんの見習いだけなんだよね、とちっとも困ってなさそうな、寧ろ、ちょっと楽しそうな顔をして言う大和守安定様を見て、失礼ながら笑ってしまいそうになる。
ふ、と口元を緩めた私に「あ、笑った？」と嬉しそうな大和守安定様。
「見習いさんってあんまり笑わないから良いもの見れたね。なんであんまり笑わないの？」
『……失礼かと思いまして。命をかけて歴史を守ってくださる皆様の前で、何も考えずに笑っているのは……』
「………そんな事ないよ。大切な人が笑ってくれるなら、それだけで僕達は戦う意味がある」
大和守安定様は真剣な顔をしてそう言った。。かと思えば、最近は出陣してないけどね、とまた笑う。
「少なくとも、この本丸全員見習いさんの笑顔が見たいと思ってるよ。だから安心してさ、楽しいことがあったら笑ってくれない？」
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美咲 - お話読みました！凄く面白かったです！もう更新されないのでしょうか？(泣) (2022年3月27日 10時) (
レス) @page29 id: 7ef2d991dc (このIDを非表示/違反報告)
星華 - この夢小説はまだつづいていますか？もし続いていたら、小説更新等で教えて欲しいです。 (2020年9月20日 18時) (レス) id: a28065770e (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2020年6月21日 1時) (レス) id: e324714dd9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 予想外の展開に驚いています。気に病む言い方かもしれませんが、更新楽しみに待ってます。 (2020年3月6日 2時) (レス) id: 67c87e380d (このIDを非表示/違反報告)
カルム(プロフ) - やばい。ここまでゾワッてなった小説は初めてです。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: a52b3e9031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：-naki-
| 作成日時：2020年1月15日 21時
