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「見習い、風呂あがったぜ」
『わざわざありがとうございます、厚藤四郎様』
「おう!」
寝巻き姿で厨に顔を出した厚藤四郎様の後ろから、とたとたと控えめな足音が聞こえ、私は『丁度準備が出来ました』とおにぎりが並んだ皿を持ち上げて広間へと行く。
夜戦専門の第三部隊の皆様は、出陣から帰ってきたあとの夜食を協調性や仲間意識を強めるために大きな広間にて6人で夜食を食べるようにしている。
勿論、物音を立てないように注意しながら、時に楽しそうに、時に真剣に話をしていた。
「見習いさん、洗濯機回しておいたので今日は休んでもらっても大丈夫ですよ」
『!そんな、皆様より先に休むなんてできません。せめて洗い物をしてから……』
何もしていない私がこんな早くに休めるわけが無い。彼等は命のやり取りをしてきて、無事に帰ってきた人達。
そんな方々を差し置いて私なんかが。
見習いの、私が。
「……見習いさん、昨日は明け方ごろまで起きていましたよね?こんな生活を続けていたら身体が持ちませんから、今日くらいは早く寝てください」
『堀川様……』
「僕達、夜戦専門になってから主と話す機会が減ったので、見習いさんのことをちょっとだけ主に重ねてしまっているんです。それについてはすみません。ですが、それくらい大切なんですよ」
ゆっくり諭すような堀川国広様の声に、私は何も言えなくなる。そんな私の肩に、第三部隊の一員であるにっかり青江様が、細長い手を置いた。
「堀川くんの言う通り、早く身体を休めないと大変なことになるよ……体調のことだからね?」
『……すみません、ありがとうございます。』
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美咲 - お話読みました!凄く面白かったです!もう更新されないのでしょうか?(泣) (2022年3月27日 10時) (レス) @page29 id: 7ef2d991dc (このIDを非表示/違反報告)
星華 - この夢小説はまだつづいていますか?もし続いていたら、小説更新等で教えて欲しいです。 (2020年9月20日 18時) (レス) id: a28065770e (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2020年6月21日 1時) (レス) id: e324714dd9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 予想外の展開に驚いています。気に病む言い方かもしれませんが、更新楽しみに待ってます。 (2020年3月6日 2時) (レス) id: 67c87e380d (このIDを非表示/違反報告)
カルム(プロフ) - やばい。ここまでゾワッてなった小説は初めてです。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: a52b3e9031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2020年1月15日 21時