決戦＊玖 ページ48
その後、折れかけ寸前の刀を優先的に手入れをした。
私の目も、無事に元の色に戻った。
「――いやぁ、それにしても激戦だったなあ！」
手入れを終え、包帯だらけ、ガーゼだらけの刀剣は大広間に集まっていた。
鶴丸さんは楽しそうにあの時の話をしている。
「一時はどうなるかと思ったが、まぁ皆が無事で何よりだ」
そう言って笑う鶴丸さんを睨みつける皆は、一斉に怒鳴った。
「「全員に心配かけといて反省しないのか！」」
「おぉっと！割と長い台詞がハモるとは驚きだぜ！」
圧倒されて苦笑いを浮かべる鶴丸さんに、大倶利伽羅さんが掴みかかる。
それを光忠さんと太鼓鐘くんが止める。
一方、粟田口派では一期さんが囲まれていた。
強い打撃を受け、気絶していた一期さんは、おぼろげだが私が鶴丸さんを刺したところを見ていたらしい。
「主殿、お疲れ様でした」
「ありがとうございます…」
微笑んできた一期さんの顔が見れない。
一期さんに限らず、皆の顔が見れずに俯く。
「あるじさま、どうしたんですか？」
私の様子に気付いた今剣が尋ねてきた。
その声で、皆が私を注目することになった。
私は、意を決して口を開く。
「…今回のことで、私は多くの犠牲を払いました。
こんな私が、審神者をしてもいいのかと…そう思ったんです。
こんなッ…こんな、駄目な私でも、主と呼んで、一緒に戦ってくれますか…？」
どうしても辛くて、涙ぐみながら語った。
静まり返る部屋の沈黙を三日月さんが破った。
「まぁ、"否(ｲﾅ)"ならばもうとっくに追い出しておるしな」
「………え？」
驚いて顔を上げると、皆が私に笑いかけていた。
「正直、まだ信用するかは迷ってるけどよ…
でも、俺らのためにあそこまでしたアンタを…今さら拒絶なんてしねぇよ」
そう言いながら、照れくさそうに頭をかく御手杵さん。
「これからも頼りにしているよ」
柔らかく微笑んでくれた歌仙さん。
「死にたいとか思わせないからな！！」
私を指さしてきた太鼓鐘くん――――が引き金となって皆が声を上げた。
「「死にたいの/かッ!?」」
「え、いや今は全然！！」
と手を振ってみるが、効果はない。
「嫌だよ！」「そんな事言わないで！」「きっと良いことがあります！」
なんて慰められる始末。
「〜〜ッだから！それは誤解です！！」
この生活で、死にたいなんて思うはずがない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆ - 完結おめでとうございます^_^面白かったです^_^これからも、お身体に気をつけて頑張って下さい^_^ (2020年3月18日 0時) (
レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2018年10月27日 12時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヒタリ | 作成日時：2018年10月4日 1時
