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決戦*壱 ページ40

私のために戦うと言ってくれた刀達を大広間に集め、胸の内を話そうと思う。

集める途中、唐突に変わった私の目に驚いていた。

「皆に協力してほしいことがあります」

ざっと見回すと、まだ会ったことのない刀までいた。

きっと、誰かが声をかけてくれたんだ。

「鶴丸国永の居場所が分かりました」

すると、光忠さんが「本当!?」と音を立てて身を乗り出した。

私は頷いて、言葉を続ける。

「きっとそこに、三日月宗近もいるはずです。

ですが、助け出すにはかなりの力が必要となるでしょう。

彼はすでに闇堕ちしており、その中には田嶋がいるからです」

一気に騒がしくなる大広間に、「お待ちください」と声が上がった。

声の主であろうへし切長谷部は、手を上げていた。

「何故、奴はすぐに俺達を襲わず、大人しくしているのですか」

その質問に、誰もが"確かに"と囁き出す。

「鶴丸さんが、残った理性で食い止めているのです。

ですがそれも時間の問題…いつ暴走するかは分かりません」

だから、彼は私の夢に出てきた。

あれは彼なりのSOSであり、警告だったのだ。

そして、私のすぐ近くに座る乱が疑いの目で見つめてくるのを感じた。

「主さんは、どうしてそれを知っているの?」

純粋な質問に、私は刀達を見回した。

未だに誰もが帯刀しているこの空間、私への気持ちがヒシヒシと伝わってくる。

"裏切ってほしくない"

「…順番に話します。

私は幼い頃、ある一つの祠(ホコラ)を壊してしまいました。

その中に眠っていた神様が私の中へと居座り、神力が集まるこの本丸で、力を付けていきました。

その証拠が"この目"です」

私はそっと目元を指でなぞる。

桃色に染まった瞳は、あの神様が私の体を乗っ取ろうと意思表示をしている証。

乗っ取られたら、どうなるんだろう。

その恐怖を押し殺すように、目元に触れていた手を握り締めた。

「でも、運良く私はその神様のお気に入りとなりました。

私を守るために、肉体から追い出されそうになっていた鶴丸さんを引き込んだんです。

そして私の夢に現れた」

きっと、ここに来てから少しずつ吸い取っていたんだろう。

だからあの夜、鶴丸さんが私を襲いにきた晩の夢に出てこれた。

「ってことは、なんだ。

今、大将の中に鶴丸の意識が半分以上も入り込んでるってのか」

顎に手をそえて考え込みながら、薬研が言った。

「その通りです。

そこで、皆さんの力をお借りしたく、ここに集まっていただきました」

決戦*弐→←乱「主さん!手紙だよ!」



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まゆ - 完結おめでとうございます^_^面白かったです^_^これからも、お身体に気をつけて頑張って下さい^_^ (2020年3月18日 0時) (レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2018年10月27日 12時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒタリ | 作成日時:2018年10月4日 1時

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