弐拾参＊奇襲？ ページ29
「は〜美味しかった！」
初めて大勢の人と食事をとり、心も体も満腹だ。
背伸びをしながら自室へ向かう。
近くまで来て、おや？と首をかしげた。
「電気ついてる…何で？」
自室を出る時は必ず電気を消す私には有り得ないことだった。
誰かが私に用があったりするのだろうか。
不思議に思いながらも襖を開くと、唐突に明かりが消えた。
「え！？何――ッ」
一瞬の出来事だった。
部屋の中から腕が伸びてきて、私の腕を掴んだ。
そのまま引きずり込まれ、襖は閉められた。
「ははは！なんだ、呆気ないなぁ」
誰かが私の手首を片手で押さえ、覆いかぶさってきた。
組み敷かれたのなんて初めてで、恐怖が積もる。
「なっ、だ、誰！？」
「おっと、大声を出すなよ？
駆けつけてきた刀が折られたくないならな」
真上にある真っ赤な瞳が柔らかく細められる。
その瞳からは狂気しか感じない。
「…何の用ですか？」
「聞かずとも分かるだろう？」
ということは、反対派の刀だ。
だとすれば、絶対絶命のピンチかもしれない。
体格からして恐らく太刀だろう。
一期さんとさほど変わらないようだ。
「私を…殺しに来たんですね」
彼はただ微笑むだけだった。
今までにない状況に、私は戸惑っている。
今までは五体自由だったため、幾分か安心できた。
でも今は…。
「あの左文字兄弟さえも味方につけ、一体どんな奴かと思えば…
警戒心のないただの小娘ときた」
「な！？」
いきなり貶してきた刀剣に苛立ちを覚える。
「ど、退いてください！」
何とか逃げ出そうと身をよじるが、ビクリともしない。
それもそうだ。相手は神様なんだから。
それも男。かなうはずもない。
「言ったはずだ。大声を出すなと」
彼は私の首筋に刃をあてがった。
絶対的な殺気に、なす術もない。
大人しく言うことを聞き、抵抗するのをやめる。
その事に気付くと、「いい子だ」と囁いて私の上から退いた。
刺激しないようにゆっくりと上体を起こす。
真っ暗な部屋の中、彼の血のように紅い瞳だけがよく見える。
「君には挨拶に来ただけなんだ」
「挨拶？」
そのようには見えなかった。
だが、刀を鞘におさめた彼は、先ほどとは打って変わって声色は柔らかい。
弐拾肆＊刀解待ちの刀→←薬「たーいしょ。年賀状が届いてたぜ」
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まゆ - 完結おめでとうございます^_^面白かったです^_^これからも、お身体に気をつけて頑張って下さい^_^ (2020年3月18日 0時) (
レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2018年10月27日 12時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒタリ | 作成日時：2018年10月4日 1時
