【とうらぶ】微力だけど任せてください！！【ブラック本丸】 (ページ6)

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伍＊理由２ページ6

「あの、それにしても…そんなに頼むなんて、一体何があったのですか？」

私の気持ちを代弁するかのように母が聞いて、私は心の中でグッドサインをした。

「はあ…それは、政府の勝手な都合で本丸を傷つけてしまい、どうする事も出来ない状態でしたし。

どうしても元に戻して、彼らに報いたかったのです。

そのためには、審神者の力が必要で…ずっと探していたんです」

少し躊躇いがちに話すこの人は、きっと嘘なんて吐いてないんだろう。

「彼らに必要なのは審神者からの愛情、優しさ、信頼でした。

それに適正な審神者、願うならそれ以上の存在が欲しかったのです。

そしてAさんは、それ以上を賭けた審神者に選ばれました」

「それ以上を……賭けた！？」

「ああ、気負わないでください。我々は確信を持って選んでおります故、気楽に務めてください」

「え、確信って……ええ？？」

「霊力の感想です。読んでみてください」

感想…？私の霊力の感想がある？？

いつ試されたのか記憶にないが、慌てて最新のところを見ると、確かにあった。

そこには、「優しい」「あったかーい！！」「軽い」「強い…？」「かったい」「重いけど苦しくない…？」

恐らく、「良い」と言える評価が並んでいた。

「えっと、なんか微妙な感想ですね…？」

「はは、微力ですからね。

しかし、悪い評価はなく、むしろ、「重い」と感じたにも関わらず、「重くないけど」などという不思議な感想ももらったくらいですので、期待は充分ですよ」

「わあ…プレッシャーが重いです」

私的には不安しかない審神者デビューだが、悪そうではない政府を信じてみてもいい。

こうして、私の審神者デビューが決まった。

母は心配そうな顔をしながらも見送ってくれて、

「たまには顔を見せなさいよ！手紙も毎回じゃなくてもいいから、寄越すこと！」

と念押しされた。

必ず成功させよう。付喪神の彼らを救おう。

そして、真相を暴く。慌てず、ゆっくり。

様々な決心をして、私は本丸へ向かったのだった。