【とうらぶ】微力だけど任せてください！！【ブラック本丸】 (ページ3)

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弐＊頼みごとページ3

「桜川 Aさんですね。先程も言った通り、貴方に頼み事があって来ました」

「はい…」

「その頼み事ですが、審神者という者になって頂けないかと思いまして…」

「はあ……はい？さ、さにわ？？」

聞き慣れない単語を繰り返してみるが、やはり分からない。

「はい。審神者です。こう書きます」

理解していない私にわざわざ「審神者」と書いたメモ用紙を渡してくれた。

「実は、信じ難い話かもしれませんが、ある者達に歴史を改変させられそうなんです」

「歴史を…改変？？」

信じ難いも何も、そんな突飛な話がある訳ないだろうと心の中で呟く。

隣に座っている母も訳が分からないという顔で男の人を見ている。

「それを防ぐため、我々は刀の付喪神に協力をしてもらっています」

「つ、付喪神？刀の！？え、刀ってまだ存在してたんですか…」

「ええ。そして、その刀達を束ね、サポートするための存在…審神者が必要なんです」

「審神者…人が神様を束ねてサポートすることができるんですか？」

「出来る出来ないというより、してもらうんです。
その為には霊力が必要となるのですが…今の時代、中々居ないのです」

「それは神社の人とかが適任なのでは…」

「神社の者だからと、その力があるとは限りません。それに限界も存在します」

かなり強気に出られ、これはマズイと本能が告げている。

「貴方には審神者の素質があると判断されました。
微力ですが、伸びしろはあるようで、今後強まる可能性があるのでは…と話されています」

つまり、人手不足だから微力でも手伝ってほしいと。

「…娘に害のあることがなければ、私に言うことはありません。決めるのはこの子です」

「お、お母さん！？」

どうやら私の母上は私が審神者になることに反対はないらしい。味方がいないぞ…。

「A、歴史が改変されて困るのは貴方達よ。よく考えて。改変されたら…

今まで教わった歴史が全てパア！！一から教えられるわよ！！！！」

思い切り肩を掴んで必死に声を荒らげる母を目の前に、私は恐怖を感じた。

「くっ…なるしかないのか…！！」

「Aさん、審神者になって下さい。我々も手を貸します故、困ったことがあれば何なりと申してください」

「う～ん…あの、審神者になった場合、学校とかはどうすれば……」

「そのことに関してですが、学校は卒業されてからになります」

「ですよね～…」

現実は甘くない。今までの人生で一番その言葉が身に染みた――。