桐皇のマネージャーは原澤監督の娘？！２

＊４４＊　見かけたあの子 ページ7

結局あんまり話せなかったな。


でもあんな状態じゃまともに話せるわけもなかっただろうし…


ある意味これでよかったのかも。


貴女「…もう、帰ろう」


とぼとぼと歩き出した私には孤独感が感じられた。


みんなはあんなに楽しそうだったのに。


黒子くんだって新しい光といたし、リコも…伊月さんだって。


私だって本来ならあの場所に居たのかもしれないのに。


どうして私だけ。


こうやっている間にも彼らは絆を深めあっているんだろうな…


今の居場所に不満がある訳じゃない。


むしろ居場所があることに感謝をしたいくらい。


でもね、私だって辛い思いなんてしたくなかったのよ。


そんな気分を打ち消すため前を向いた。


貴女「…え―――――？」


ふと目線を地面からあげると視界に映ったのはあの子で。


どうしても、絶対に会いたくなかったあの子で。


きっとあの子は私なんて忘れているのだろう。


でも私は忘れない。


だって、あの楽しいときを壊させたのだから。


でも復讐なんて、仕返しなんてしようとは思わない。


それこそお互いを傷つけあってるようなもの。


それだけは避けなきゃいけない。


だからね、せめて逃げることくらいは許して…？


ねぇ、神様。


少しくらいはいいでしょう？

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