I love you 43 ページ18
翌日から、陵雅を見るたびに胸が痛んだ。
何度も泣きそうになるのを堪えた。
日に日に暗くなっていったであろう私に、昌太は毎日話しかけてくれた。
失恋したばかりなのに、
「帰ろう？」
と笑顔で毎日誘ってくれる彼に惹かれてしまう自分もいる。
傷ついた心が、だんだん埋まっていく。完全に治らなくても、傷痕は残っても確実に、着実に彼の気遣いは私を癒してくれた。
そんなある日の帰り道、唐突に手を握られた。少し前の光景と重なって、少しぴくっと肩が動く。
――そういえば、陵雅とはよくこうして帰ったなぁ
また何かがこみ上げてきて、私は俯いて口をきゅっと結んだ。
泣いちゃだめだ。私は強くなるって決めたんだ。
「あのさ」
手を握る力が増して、隣の彼をちらりと見る。頬がほんのりと赤いような気がした。
「Aは、俺の事、どう思う？」
恥ずかしそうにそっぽを向いて、私にそう問いかけた。
「え、あ…その…」
返答に戸惑って、言葉につまる。
「…優しい、人だなって思う…かな」
「俺は」
私の言葉の終わりに被せるように昌太は言った。
気がつけば、周りにほとんど人通りはなくて、知らない道に来ていた。
「Aが好き。」
さあっと、季節外れのからっとした風が私と彼の髪を撫でた。
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Cosmo*(プロフ) - 続編お願いします(^ω^ ) (2014年8月14日 11時) (
レス) id: c81614e472 (このIDを非表示/違反報告)
にぃな@(´∂`)(プロフ) - 続編すごくみたいです！ (2014年8月14日 0時) (レス) id: e840fe8aba (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 続編お願いします！！ (2014年8月13日 23時) (レス) id: d18fffc1e9 (このIDを非表示/違反報告)
槊鵺(プロフ) - ティトンさん» ありがとうございます！色々考えてみますっ！ (2014年8月13日 19時) (携帯から) (レス) id: 14b4575316 (このIDを非表示/違反報告)
ティトン(プロフ) - 槊鵺さん» 続編щ(・∀・´щ)ｶﾓﾝ (2014年8月13日 18時) (レス) id: f426aa4903 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：槊鵺 | 作成日時：2014年7月15日 23時
