死ヌマデ、愛しテ…？愛しテくれなきゃ――…2nd【ヤンデレ】【名前変換オリジナル】 (ページ14)

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I love you 39 ページ14

昌太side

ＨＲが終わり、一緒に帰ろうとAの方を見た。
彼女はふらふらと頼りなく立ち上がり、そのままぼうっとしばらく立ち尽くしていた。

――陵雅のことか。

彼女は扉の方を絶えず気にしていた。
キミの頭のなかは、ずっと幼馴染みのカレばっかり。
俺のことなんて、思ってくれない。
少しでも、考えてくれたら。

――だめだ、彼女の幸せが一番なのに。
そう言い聞かせて自分の独占欲を抑え込んだ。

とりあえず今は彼女の傷を軽くしてあげよう。

「…帰ろ」
色々なことを考えすぎたせいか、はたまた独占欲が抑えきれてなかったからか、ぶっきらぼうな言い方になってしまう。

大丈夫か。
…これから、少なくとも今以上のそれを負うことになってしまうというのに。

俺は彼女の白く細い腕をとった。
掴んだそれは少し強く握るだけで壊れてしまいそうなくらい儚くて。

ふと陵雅のクラスを見ると案の定扉のところで新しくできた彼女と話している。

Aをこれ以上傷つけたくなくて、俺は早足で手をひいた。

昇降口で、手を離す。
彼女の真っ白な腕にはくっきりと赤い痕が。

「っ、ごめん」

正面から彼女を見られない。
信じたくなかった。あの人が陵雅だということを。

靴をつっかけて、外へ踏み出た。
陽が強く照りつけ、俺たちの後ろに濃い影を作る。
隣の彼女をの綺麗な肌には汗が滲んでいた。

間近で見たAはやっぱり可愛いくて。
そんな風に思ってしまう自分に嫌悪感を抱きつつ、俺は道を進んだ。

――つくづく、俺も都合のいい男だ。
陵雅に嫉妬していたのに、女と付き合ったと聞けば酷いと思う。

結局、俺は何をしたいのか…。

暫く下を向いて歩いていたが、Aの存在が薄れていく気がして、突然妙な使命感にかられた。
――言わなくては。

いつまでも隠して、彼女がやつれていくのも見たくない。

「あのさ――」
Aの発した言葉と被ってしまって、ハッとする。
今、感情的になってこんな場で言おうとしてしまった。これではいけない。

ふと後ろを振り返れば陵雅が校門のところにいたので、Aの手を再びとった。
近くの路地裏を進み、木陰がある広場に出る。

だいぶ昔に一度来ただけなのによく覚えてたなと自分に少し感心し、俺は剣少し翳ってしまったAの目を見つめた。